基本的な考え方


(1)  戦後の日本が追求した路線は「追いつき発展型経済大国路線」と言えるものであった。確かに経済発展は目覚しいものがあったが、国民生活を犠牲にする形で行われたために国民の豊かさの実感は乏しい。長引く構造不況と没落衰退の危機は、この路線が既に破綻したことを示している。
(2)  21世紀において日本の再生と持続可能な発展を図るためには真の人間主義に立脚し、どこまでも国民生活の充実と向上を目指す「創造革新型生活文化大国路線」に転換しなければならない。
 この新路線は、生活者満足度を最大化するための「生活者革命」とそれを支える経済活力を生み出すための「新産業革命」、並びに新しいコミュニティー形成を目指す「まちづくり革命」が中核となる。
(3)  新しい路線はまた
(イ) 急激な少子高齢化や2006年以降の長期人口減少傾向に伴う諸問題
(ロ) IT、バイオ、ナノテクノロジー、環境技術等、新しい技術体系の発展
(ハ) 更なるグローバリゼーションの進展や中国をはじめとする東アジア諸国の発展、東アジア共同体形成への展望等、内外の諸要を充分視野に入れる必要がある。
(4)  この点、北関東地域(埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)は
(イ) 抜群の立地条件
(ロ) 厚い産業集積、知的集積
(ハ) 豊かな自然と生活環境、広大な空間
 等、限りない未来性と可能性を秘めており、全国に先駆けて21世紀型システムを作り上げ、日本再生をリードし、モデルとなる役割を果たす事が期待される。今まさに北関東ルネッサンスの時代が始まろうとしている。北関東についての新しいイメージとブランドを形成する絶好の機会が到来している。これはまた北関東が道州制を先取りすることにもつながる。以下において北関東ルネッサンス構想の大綱を提示すると共に、この構想の更なる検討(マニフェスト化)と実施体制の確立に向けて早急に関係四県知事による「北関東サミット」の開催を提言する。

北関東ルネッサンス構想の概要

1. 北関東ヒューマン・シティー(人間都市)構想
—人間の安全保障の確立—

(1) 安心・安全の地域社会の構築
(食の安全、犯罪率、交通事故率、危機管理体制等)
(2) 健康・長寿・自己実現の支援
(予防医学重視、スポーツ習慣、生涯学習、NPO等)
(3) 医療・介護・ケア・福祉体制の充実
(4) 子育て支援システムの抜本的強化
(世界一子育てがしやすい地域)
(5) バリアフリー化・ユニバーサルデザイン・歩いて暮らせる街づくり
(6) 雇用の確保と新しい雇用機会の創出
(7) 住環境整備

2. 北関東ガーデン・シティー(庭園都市)構想
—自然と共生する癒しと安らぎの生活空間の創造—

(1) 都市と農村の対立から相互依存協力交流関係への転換 
(グリーンツーリズム、地産地消、産直、スローフード、スローライフ)
(2) 環境重視、循環型社会の構築
(3) 美しい景観の創造と保全
(電線の地中化、里山の保全、街路樹や花壇の整備、景観条例等)
(4) 魅力あふれる中心市街地活性化の推進
(5) 魅力的な自然環境の整備と啓発広報
(北関東フラワーマップ、昆虫マップ、バードウォッチングマップ、北関東百景等)
(6) 自然遊歩道、サイクリングロードの整備
(ツール・ド・北関東の開催)
(7) 温泉療法、クアハウスの整備

3. 北関東ベンチャー・シティー(新産業都市)構想
—新産業革命の創発—

(1) 新しい発想に基づく首都圏農業の確立
(2) 産学連携による技術革新の推進と新産業・ベンチャー企業の育成支援
(北関東版シリコンバレーの形成)
(3) 魅力ある観光業の振興
(4) 環境産業・新エネルギー産業の振興
(5) 幅広いサービス産業の発展
(6) 北関東道路の早期完成
(7) 流通特区構想の推進

4. 北関東カルチャー・シティー(教育文化都市)構想
—教育と文化がひらく限りない未来—

(1) 個性・創造性・国際性を重視する教育改革
(2) 世界的研究機関や大学等の知的集積の推進
(3) 地域の発展に役立つ多様な人材育成のための専門職教育機関等の設立促進
・大学院など
(例:ビジネススクール/ロースクール/メディカルスクール/ テクノロジーマネジメントスクール等)
・ユニークな専門学校など
(例:IT/芸術/音楽/演劇/美容/理容/料理/ソムリエ/スポーツインストラクター/トリマー/ホテルサービス/ファッション/デザイン/クリエイター/福祉関係等)
(4) 北関東における教育の伝統の再発見と未来への継承 
(足利学校・水戸弘道館)
(5) 芸術文化の振興
(6) 個性豊かな地域文化や若者文化の育成と発信
(7) スポーツ振興
(栃木・群馬にメジャーなサッカーチームをつくる、北関東リーグの実現等)

5. 北関東グローバルシティー(世界都市)構想
—地域からひらく文明間対話への道—

(1) 世界に直結し地域レベルの国際交流の推進
(2) 積極的な外国資本の導入による地域振興
(3) 留学生や多様な外国人人材の受け入れ
(4) 外国人観光客の誘致
(5) 多角的姉妹都市ネットワークの構築
(6) 国際機関や海外代表事務所の誘致
(7) 社会人も含めた外国語教育の推進






経営感覚と市場戦略がカギ


日本の農業を巡るピンチとチャンス


 ピンチ
(1) 担い手の急速な高齢化(農業就業人口368万人中、65歳以上は207万人=56%)/耕作放棄の増大(毎年3万ヘクタール)
後継者がいない、嫁が来ない(⇐将来への展望の無い農業)
(2) 硬直した過保護農業政策⇒農業経営発展の可能性をつぶす

 チャンス
(1)

《国内的》食の安全、食と健康への関心の高まり/地産地消

(2)

《対外的》特に東アジアにおける安全・高品質な農産物への需要拡大(東アジアの経済発展)⇒輸出機会の増大(例:リンゴ、ナシ、長芋、イチゴ、杉材)

(3)

世界的に健康食品としての和食への高い評価


“守り”から“攻め”の農業へ転換するための基本戦略


(1) 国際競争力を持った農業の育成 -例:果物、野菜、畜産、花卉
(2) 稲作農業の構造改革
*25〜30ヘクタールの基本単位への統合
 *労働生産性の向上
(3) 中山間地の農業
*地球環境の保全、美しい景観の保持を政策目的とする所得補償制度の導入  

経営感覚と市場戦略こそが農業活性化のカギ


(1)

マーケティング・・・「つくったものを売りさばく」から「売れるものをつくる」ことへの転換

(2)

イノベーション・・・消費者のニーズに応える創造革新

(3) ブランド化・・・消費者に信頼感を植え付ける差別化とイメージ戦略
例:『南高梅』の産地、和歌山県南部川村=人口6700人の過疎の村—1984年から常に所得水準成長率日本一
環境条件に見合った競争優位を確立する農業経営ビジネス・モデルの構築
*グリーンツーリズム、エコツーリズムの促進(都市と農村の大交流)  

具体的な提言


(1)

農業生産者から農業経営者への転換

(2)

実践的な経営戦略を教える農業ビジネススクールの設立

(3) 成功例の教訓を普及させるための農業カリスマ制度の確立
(4)

消費者と生産者の対話の促進

(5)

融資制度(プロ農業経営者支援のための抜本的な各種融資制度の拡充)

(6)

農産物輸出支援体制の強化

(7)

農業分野における人材派遣制度、派遣労働システムの拡充による労働の合理化、効率化

(8)

農協の抜本的改革(物品販売業、金融保険業だけではなく、研究開発、マーケティング、営農指導、流通ネットワーク構築等の業務強化/農協本来の事業による収益の確保、農協が主体となる人材育成)

(9)

バイオ・情報通信技術の活用、バイオマス・エネルギーの開発促進

(10)

農業構造改革特区構想の積極的活用




プロ農業経営者の目標年間労働時間1,800時間程度を前提として……




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