第169回国会 参議院財政金融委員会 第2号


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平成二十年三月二十七日(木曜日)
午前十時開会



○辻泰弘君 それで、時間も迫ってまいっておりますけれども、私はずっとこの最近の予算編成、補正予算等を見ていてつくづくと思いますことは、国債費、利払い費の当初予算と補正予算、また当初予算と決算の食い違い、見込み違い、この部分が非常に大きくなっているということを痛感するわけでございます。

 例えば、十九年度の補正予算、先ごろ議論されましたけど、あのときも九千六百億でございましたか、国債費の修正減少額がございまして、結果としてその分赤字国債を減少させて建設国債を同額発行したというのが十九年度補正予算だったわけでございますが、改めて資料をいただきまして、その国債費、とりわけ利払い費の平成十年以降の当初予算と決算額の差を見ますと、これは資料としてお出ししなかったんですけれども、平成十年が八千億ぐらい、平成十一年が八千七百、十二年度が七千六百、十三年度一兆、十四年度が九千六百億、十五年度が一兆二千八百億、十六年度が一兆四千億、十七年度が一兆八千億、十八年度が一兆六千億と。例えば、二、四、五年、決算が出ている十八年度までの五年間を見ても、あ、六年間ですから一兆ばかし利子及び割引料が見込み違いで、結局過大推計だったと、過大見積りだったと、こういうことになっているわけなんですね。

 税収の見積りが難しいという議論は昔からありますし、現実にそうかもしれませんが、しかし、単年度で違うというのはあり得るし、見込みは違うというのは当然あり得るわけですが、しかし、これほどずっと一兆オーダーの見込み違いが発生すると、やはりどうしてそんなことになるのかなと、本当は責任さえ問われるべきことではないかとさえ思うんですけれども、そのことをどう考えておられるか。

○副大臣(遠藤乙彦君) 確かに先生御指摘のとおり、国債の利払い費につきましては、当初予算と決算を比較しますと、ここ近年、確かに一兆円を超える不用が生じております。この主たる要因は、国債の市場金利が予算積算上の金利を下回って推移したことによるものでございます。予算積算上の金利は、予算編成に際して、足下の金利とか、近年の金利の動きを基礎にして設定をしておりますけれども、実際の市場金利は、景気の動向とか、市場における需給関係等、様々な要因で変動するわけでございまして、これを的確に見通すことは困難であるということは先生も御理解いただけるかと思っております。

 いずれにしましても、国債の利払い費の計上に当たりましては、国債が国の信用を背景に発行されるとともに、我が国の金融市場の中核を成すものであるということを踏まえれば、その利払いにつきましては、予算額の不足を来したり、あるいはそのような懸念を市場に持たれて不測の混乱を招かないよう十分な予算上の措置をとるべきと考えておりまして、二十年度予算における国債の利払い費につきまして適切に見積もっているところでございます。

○辻泰弘君 今の御答弁だと、余る方向だったらいいじゃないかと、こういうふうな、聞きようにも、聞こえるわけですけれども、そういった問題じゃなくて、私が申し上げているのは、それは変動はあって見込み違いもそれは当然あり得るわけで、それはやむを得ない部分はあると思いますが、しかしこの十年間ですか、見て、最近の、二、四、六、ほとんど一兆近い見込み違いになっているんですよね、はっきり言いまして。要は、まあ常習犯という言い方はちょっとあれかもしれませんが、何か非常にもうそれが当たり前になっていて、八十兆の予算の中の利払い費一兆六千億、一兆から二兆ですけれども、この見込み違い、これだけ長いこと続いているというのは、私はやはり責任は問われてしかるべきじゃないかと思います。

 財務大臣にお伺いしたいんですけれども、こういった歴史を、歴史というか、これまでの経緯がありますが、二十年度予算は大丈夫でしょうか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 二十年度予算とした考え方いかんということでありますが、これは、国債費の予算積算金利については、十九年度予算で二・三%としていたわけですけれども、二十年度は二・〇%としたわけでございます。

 これは、昨年の夏以来、市場金利が低下傾向にあること、それから予算編成時点の金利、十九年十月の表面利率は一・五%であること、だから、予算積算金利が二・〇%であった十七年度及び十八年度予算と同水準にしたということでございます。平成十年度以降の金利の最大値が二%であったということも踏まえておるわけであります。

○辻泰弘君 先ほど二千二百億の削減の話ししましたけれども、二千二百億がもうああいう形でつじつま合わせをしている傍ら、一兆から二兆の利払いの見込み違いが発生して、結果として余るということだと、何か非常にバランスといいますか、その辺、正直言ってもう疑問を大きく感じてしまうわけでございます。

 そういった意味で、おのずと、それは見込みもございますから、税収なりあるいは利払い費というのは当然予測の中ではありますけれども、余りにも、これだけ違っているということについてはやはり問題が極めて大きいし、その点については、やはり余るからいいじゃないかという問題じゃないと、このように思いますので、その点についてはしっかりとお取り組みいただくように、また補正予算のときに、そういったことがなっていれば、またそのことを改めて御質問したいと、このように思っているところでございます。
 さて、あと十分ちょっととなりました、十五分ぐらいになりましたけれども、国民負担率のことについて、私、かねがねちょっと、統計的なことですけれども、お聞きしておきたいと思っていました、それを聞いておきたいと思います。

 これいつも、財務省、旧大蔵省のときからですけれども、国民負担率の推移ということで、これ、私が今、お手元の資料配付に一番最後に付けているやつでございます。これが国民負担率の財務省が出している資料でございます。

 それで、私が申し上げたいのは、ここの、いつも注書きがございまして、「租税負担の計数は」、これ注の三のところです、下の方の注の三、「ただし、」というところですね。「租税負担の計数は租税収入ベースであり、SNAベースとは異なる。」ということで、これは実は昔からそう書いてあるんです。

 私はこれずっと実は追っかけたところあるんですけれども、ただ、この統計自体は、租税負担率も社会保障負担率も国民負担率も基本的に分母は国民所得になっているわけですね。それはSNAに基づいているわけです。ですから、私は、統計として考えたときに、分母がSNAであるときに、分子が、SNAがあるのにもかかわらず別のものを使うというのは、やはり統計として私は整合性を欠くものじゃないかと、こんなように思うんですけど、いかがでしょうか。

○副大臣(遠藤乙彦君) 御指摘の点はあるかと思いますけれども、財務省におきましては、国民全体の税負担水準がどの程度であるかを端的に示すために、租税収入ベースの計数を用いた税負担率をお示ししているところでございます。

 これは、租税収入ベースの計数が国税収入並びに地方税収入の合計額から成るのに対しまして、SNAベースの計数には、租税収入ベースの計数に加えまして、日銀の納付金とかそれから中央競馬会納付金など、租税制度上の租税ではないものが含まれておりまして、通常我々が税と観念するものと隔たりがあるということによるものでございます。

 ちなみに、日銀納付金が十八年度決算で七千四百十五億円、それから中央競馬会納付金が十八年度決算で二千九百十六億円、約一兆円ぐらいの額になりますけれども、これによってどの程度変動するかですけれども、これらを含めない租税収入ベースですと、十八年度決算で九十兆六千億円程度、SNAベースですと九十二兆四千億円程度ということでございまして、租税負担率を租税収入ベースで考えますと二四・三%、それからSNAベースで計算しますと二四・八%ということでございまして、〇・五%程度の変動ということでありまして、これは冒頭申し上げました趣旨によりまして、あくまで租税負担の実際の姿を示すということでこの数字を使っているわけでございます。

○辻泰弘君 最近接していませんけれども、おっしゃった中央競馬会、日銀納付金との違いとか、それ以外にも相続税と贈与税をどう考えるかと、こういうこともあったと思うんですけれども、ただ私は、統計としてみれば、分母にSNAのことが出ていて、かつ分子にSNAベースの統計があるにもかかわらず、あえてこれを使うというのは私はちょっと統計的には違うんじゃないかというふうに思っています。その点は指摘をしておきたいと思います。

 それから、これは元々の議論といいますか、かねて議論された潜在的国民負担率の統計についてですけれども、これは経済財政諮問会議等でもたしか厚生労働省が出した資料があったと思いますけれども、すなわち日本の国民負担率、さっきも言いましたけれども、分母は国民所得であると、分子に租税負担、それはSNAベースと租税収入ベースがあり得るわけですけれども、あとは社会保障負担と、これはSNAで取っているわけですね。それを合算したものを分子にして、潜在的な場合はそれにプラス財政赤字をしていると、分母はNI、国民所得であると。ただ、その国民所得の取り方が要素費用表示という取り方になっていて市場価格表示じゃないものだから、間接税を控除するということになっているわけなんですね。だから、そのことによって、日本の場合、間接税がヨーロッパ諸国と比べると相対的に小さいがゆえに、分母が大きくなるがゆえに統計として低くなるということになるんだろうと思うんです。ヨーロッパの方は逆で、高く出るということになるかもしれませんが。

 いずれにいたしましても、よく言われている議論ですけれども、やはり税制によって間接税を控除するという国民所得を分母に持ってくること自体の統計的な限界といいますか、対比の制約ということにつながっているという議論はかねてからあったんですが、やはりそういった意味で、私は、GDPで分母に持ってくるということによって、これは諸外国もそういう統計になっているわけですね。むしろ、要素費用表示の国民所得を使っている国が日本だけじゃないかと思うんですけれども。そういった意味で、GDPを分母に持ってくる統計であるべきだと。これは厚生労働省が、かつて坂口さんの時代に経済財政諮問会議に出された資料もたしかそうだったと思うんですが、そういったことで私は行くべきだと。

 これは財務省だけの問題ではないのかもしれませんけれども、しかし考え方として私は、やはり統計の比較をするときの統計の在り方として、私はGDP比であるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○副大臣(遠藤乙彦君) 国民負担率につきましては、これは政府の大きさとか国民負担の大きさを測るための一つの便宜的な手法でございまして、分母に何を使うかということにつきましては必ずしもこれまで明確な決まりがあるわけではないというふうに理解をしております。

 そういった中におきまして、我が国におきましては、従来、所得との対比で負担が議論されてきたという経緯がありまして、また実感としても、収入のうちのどの程度の割合が税金や社会保険料として徴収されるかといった指標として負担の大きさを議論した方が国民にとっても分かりやすいということがありまして、国民負担率のベースとして国民所得を用いているところでありまして、あくまでも便宜的なものと、また実感を踏まえたものということでございます。


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