第166回国会 安全保障委員会 第4号


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平成十九年三月二十七日(火曜日)
午前九時三十三分開議



○遠藤(乙)委員 公明党の遠藤乙彦でございます。

 議題となっております米軍再編法案に関連をいたしまして、質問をさせていただきます。

 まず最初に、このトランスフォーメーション、それからいわゆるGPR、グローバル・ポスチャー・レビュー、この再編法案の前提、背景となっておりますトランスフォーメーションの問題、またグローバル・ポスチャー・レビューの問題、これは私、非常に重大なテーマであると認識をいたしております。

 冷戦終結後、長いことポスト冷戦ということが言われておりましたが、具体的にどういうポスト冷戦の時代に安全保障の状況が出て、どういう概念でどういう対策を打つかはなかなか流動的だったわけでありますけれども、ここに来てやっとこういうトランスフォーメーションあるいはグローバル・ポスチャー・レビューということが明確になってきたと思っておりまして、これは、私は、ある意味で安全保障問題の新しいパラダイム形成、パラダイムシフトというふうにとらえるべきではないかと思っております。それほどの大きなインパクトを持つ考え方の変化というふうにとらえるべきではないかと思っております。

 特に、脅威の対象が従来的な伝統型国家の脅威から非常に多様な脅威に変わってきた、また、新しい脅威が発生をしてきたということ、また冷戦期には大体どこで紛争が起こるかがほぼ予測をできたわけでありますけれども、今は世界じゅうどこでもむしろ起こり得るという状況になってきております。

 それからまた、もう一方は、いわゆるRMA、軍事における技術革命、こういった情報通信技術または輸送技術等における革命的な変化、これによって軍事的な技術の可能性の面で大きく変化がありました。

 こういった総合的な環境変化のもとで、やっとここに来てトランスフォーメーション、このグローバル・ポスチャー・レビューという考え方が出てきたということは、これは非常に私は重要なパラダイム形成であると思っておりまして、この環境の変化は、我が国も同じ前提がありますので、やはり我が国としても二十一世紀の専守防衛の戦略はどうあるべきか、これはしっかりと考えていかなければならないかと思っております。

 そういった意味で、まず最初に、トランスフォーメーション並びにグローバル・ポスチャー・レビューについて、この本質を政府としてどのように認識しているのか、また、我が国の安全保障体制に今後どのような影響を及ぼしていくのかにつきまして、できるだけ突っ込んだひとつ見解をお話しいただければと思っております。

○久間国務大臣 確かに、世界的な規模での動きというのは、国対国ではぶつかり合う、そういうような状況がなくなってきて、不確定な、多様な危機がいろいろな形で起きるだろう、そういうものに備えなきゃならないという状況にございます。だから、アメリカもそういう方向で動いているのは事実でございます。

 ただ一方、我が国の周辺の場合ですと、まだそういうような、アメリカが、ヨーロッパその他で経験しているような、そういう変化じゃなくて、いまだに国対国の、あるいはまた国対国がぶつかったときにそれに派生して我が国がまた巻き込まれるというような、そういう状況がないわけじゃないわけでございますので、そういう点では、空白になってもいかぬ。日米安保条約を基軸とする我が国の防衛というのがきちんと残っていないといかぬ。そういうような問題がございますから、世界的な動きとは別に、我が国としては、そういうような状況を念頭に置きながら、さはさりながら、アメリカ自身がそういう動きの中でいろいろな変化をしているときに、我が国としては、どういうような形でそれに対応したらいいのかというのはやはり考えていく、そういう時期に来ているんじゃないかなと思っておるわけであります。

 したがいまして、今度のグアムへの移転等につきましても、やはり我が国としては、海兵隊が沖縄に今非常にたくさんおるというのが、アメリカがグアムへ司令部を持っていくという動きになってきたのを、これはいい幸いだということで、八千人を向こうに移してといいますか、沖縄から撤退してもらうというようなことをお願いして、それが実現することになったわけでございますけれども、だから、そういうような動きがありながら、抑止力は維持しなきゃならないという問題をどうとらえていくか、これが我々のこれから先の課題じゃないかなと思っております。

○遠藤(乙)委員 これは私の印象なんですが、アメリカのこの検討は非常に本格的でありまして、非常にグローバル、また戦略的であるということは非常に印象深く見ているわけでありますが、他方、我が国の受けとめは、政府も大変努力をしておられますけれども、どうも非常にローカルで、かつ戦術的ではないかという感じがしております。

 確かに、いわゆる沖縄の負担軽減等々、これは非常に重要な問題であり、絶好のチャンスということは間違いありませんけれども、これだけではない。やはり今回のトランスフォーメーションは非常にグローバルな、戦略的な問題であって、ここをしっかりと押さえておかないと、今後日米同盟の対話にそごを来す可能性があるというふうにちょっと危惧をしております。そういった意味では、もちろん我が国独自の地政学的事情はあるわけでありまして、それは踏まえなければなりませんけれども、単にローカルにとどまらず、やはりグローバルな点についてもよく分析、認識をしておく、また戦略的なところもしっかり押さえておいた上で、どう対応するかというところを我が国はしっかりと押さえないと、今後、日米同盟の運用に当たって、そんなはずじゃなかったとか、国民に対する説明もいろいろまたそごが生ずる可能性がありますので、ぜひこの点はよく、本格的な取り決めをしていただきたい。先ほど、中谷議員の質問にもありましたけれども、同じ趣旨で私も申し上げたいと思っております。

 そういった意味で、自衛隊のトランスフォーメーション、こういったこともきちっと打ち出していいんじゃないかと私は思っております。九五年の大綱から二〇〇四年の大綱ですか、確かに大きな変化が見られますし、統合運用の問題とか技術の問題とかいろいろな面で、まさにトランスフォーメーションに値する要素はたくさんあるわけであって、むしろ正面から、二十一世紀の新しい安全保障、また我が国独自のそういった地政学的事情も踏まえた上で、専守防衛の新戦略あるいは自衛隊のトランスフォーメーションということをしっかりと打ち出すべきではないかと思っております。

 特に、大臣は、防衛省移行につきまして、政策官庁ということを非常に強くアピールされておりますので、まさに戦略的に物を考えてしっかりと国民に説得していく、そういう論理を持った防衛省として転身しなきゃならないと私は思っておりまして、ぜひそういう方向で検討すべきだと思っております。

 自衛隊のトランスフォーメーションということについて大臣はどうお考えか、お聞きしたいと思います。

○久間国務大臣 自衛隊は、そもそもが我が国の専守防衛ですから、そういう意味では非常にローカルなんですね。限定されていまして、これが世界に飛び回る、今度は国際協力業務が本来業務になりましたが、それは全体から見ますとやはり少ないわけでありまして、そういうようなことが一つあります。

 それともう一つは、防衛大綱は五年ごとに見直しをやっておりますけれども、十年を一つのでやりますけれども、現実には、その地域の経済と結びついておりますから、なかなかそう簡単に変えられない、そういう点が実はありまして、ここはもう少し早く、こういうふうにシフトしたらどうかなという思いがみんなの頭にあっても、それを現実に変えていくとなると、やはり国内政治との関係もございまして、そう急に変えられない、そういう問題がございます。これを国際的に、アメリカみたいに国際舞台でやる場合でしたら、相手の国のことよりも自分のことを中心にさっと変えられるんですけれども、やはり同じ地域でございますから。

 それと、例えば陸上自衛隊について言いますならば、やはり我が国は北から南まで災害等があるわけでございますから、専守防衛という防衛のサイドだけではなくて、やはり、いざ災害があったときの派遣の体制、そういうことも念頭に置かなければなりません。

 今日では、極端な言い方をしますと、太平洋側というのはそんなに戦略上、そちらの方からは、昔と違って、余り攻撃の、着上陸のおそれはないかもしれませんけれども、逆にそういったところにも陸上自衛隊をやはり置いておかないと、いざというときの災害の応援その他を考えますと必要なわけでありまして、そういう点で、いろいろと難しい点がありますから、アメリカみたいにトランスフォーメーションという形で直ちにやりにくいという点があることも御理解賜りたいと思います。

○遠藤(乙)委員 私は何もアメリカに合わせてトランスフォーメーションをやれと言ったわけでは全くありませんで、日本独自の専守防衛という基本的なスタンスそれからまた災害問題、これを踏まえた上で我が国独自のトランスフォーメーションを戦略的な主体性を持ってやるべきだということを申し上げているわけで、その点はぜひ誤解のないようにお願いしたいと思っております。

 ただ、アメリカの問題意識はよく理解をした上で、その上で対応していかないと、今後そごを来す可能性があるので、その点はぜひ、そういったグローバルな、また戦略的な意識を持った上で取り組んでいただきたいということは要望したいと思っております。

 続いて、グアム島への海兵隊移転の件なんですが、これは非常に私は政府がよく努力をしていただいたと高く評価をする点でありまして、在日米軍基地の七五%が集中する沖縄、沖縄を視察するたびに心を痛めるところがあったわけでありますけれども、そういった意味では一つ大きな前進であるということで、これは高く評価をするところであります。

 また、グアムの現地視察をして、グアムの方も非常に歓迎しておりますし、また沖縄と違って、基地はあっても基地問題がないという非常にいい状況にありますので、これは非常に一石二鳥三鳥の政策と。グアムの振興発展にもつながり、また沖縄の負担軽減にもつながる、また、さっきの中谷委員からもあったように、日米共同訓練の場にもなり得るということで、一石二鳥三鳥だなという気がいたしましたので、ぜひこれは成功させなきゃならないと強く感じた次第であります。

 その上で質問なんですが、今回のグアムへの海兵隊の、特に司令部機構の移転によって、抑止力は維持されるということになっております。私もそういうふうに理解はしておりますけれども、なぜ抑止力が維持されるんだという根拠を、説明をちゃんと米側から受けているのか、あるいはまた政府としてしているのかという点でございます。この点につきましては、まず、それだけの海兵隊が八千人、グアムに移るわけでありまして、なぜそれによって抑止力は問題なく維持されているというのか、この点につきましての御説明をお願いしたいと思います。

○久間国務大臣 詳しい説明はまた事務方から聞いてもらっても結構ですけれども、私はこう考えております。米軍自身が判断したのは、我が国を取り巻く環境その他からいって、司令部が移動しておっても、最近のいろいろな輸送体系あるいはまた通信、そういうようなことから、機能的には十分機能し得る。また、それと同時に、米軍は今、我が国の防衛と同時に多機能的にいろいろなことを展開する。そのときに司令部が沖縄にあることとグアムにあることとでは、グアムの方がむしろ自由度が高いんじゃないかなとか、いろいろなことをアメリカ自身が考えた上でそれは判断したんだろうと思います。

 我が国にとって大事なことは、そういう米軍の動きは動きとしながらも、我が国の安保条約の目的がきちっと達成されるかどうか、そういう観点から、それが十分達成されるならば、世界的ないろいろな戦略の一環として、グアムならグアムに司令部が移ったとしても、うちの方はいいんじゃないかと。それと同時に、八千人海兵隊が減っていくということは、沖縄の負担がそれだけ軽くなるわけでありますから、それはそれでいいんじゃないかというような、向こうの動きに追随したと同時に、我が国としても、日ごろから沖縄からいろいろな要望があった、それを実現するチャンスだという形でそれに乗っかったというようなことが本音じゃないかなと思っております。

○遠藤(乙)委員 本音の御説明を伺いまして、よくわかりました。

 そこで、海兵隊移転というのは非常に結構なことで全面的にこれを支援しなきゃなりませんけれども、また沖縄の現地の人たちから見れば、司令部よりも戦闘部隊の方が移転したらもっとよかったんじゃないかということですよね。実際にいろいろ問題を起こすのは戦闘部隊の人たちが多いわけですから、沖縄の現地の人たちから見れば、どうせ八千人移転するなら、戦闘部隊の方が移転してくれて、司令部が残って、いざというときに戦闘部隊はすぐに沖縄に駆けつけるという方がベターなのではないかという気がいたします。そういった交渉はされなかったんでしょうか。また、アメリカ側としては、どんな論理で戦闘部隊を残したんでしょうか。

○大古政府参考人 海兵隊のグアム移転につきましては、従来から累次申していますとおり、沖縄の負担軽減という目的もありますけれども、他方、日本防衛の抑止力の維持という観点もございました。そういう観点で、今回、グアムに移転する海兵隊につきましては司令部要員中心ということでございますけれども、グアムに移転した後も海兵隊として日本の防衛の任務は残るというふうに聞いております。そういう中で、万が一のときに日本に駆けつけるような場合におきまして、やはり司令部要員ですと、重たい装備品がないということで、比較的早く移動できるというようなことがアメリカの考えにあったというふうに承知しております。

 また、他方、先ほどの抑止力維持ということで申しますと、別途、高速輸送艦ですとか輸送機ですとか、そういうものについては日米それぞれの立場でその整備に努めていくということで日米合意していますので、そういう意味でも、抑止力の維持の低下にならないように措置したということでございます。

○遠藤(乙)委員 私は、沖縄とグアムとを考えた場合、逆に司令部を沖縄に置いておいて戦闘部隊がグアムに行ったとしてもそんなに大差はないのかなという気は個人的にはしております。高速輸送艦、多分四十八時間以内で輸送できると思いますし、また、いろいろな装備は事前に沖縄に集積をしておけばいいわけであって、いろいろ工夫をすれば、司令部を逆に沖縄に残して、おとなしい、紳士的な司令部を沖縄に残して、いわば荒っぽい戦闘部隊はグアムに行くというのも、そういう選択肢もあったんじゃないかと思っておりますが、決まったことですから、それ以上言いませんけれども。

 いずれにしても、さらなる沖縄の負担軽減につながるような形でこのグアム移転を成功させるべきだろうということを思っております。ぜひとも、今回の海兵隊のグアム移転は第一歩として、全力を挙げてひとつ成功に向けて努力をしていただきたいことをまず要望しておきたいと思っております。

 続いて、座間へ今度米陸軍の第一軍団司令部が逆に移転してくるということですよね。これは、第一軍団の司令部が米本土から座間へ逆に移転してくるということですよね。これは、今の海兵隊の司令部がグアムへ行くのと逆の動きになっているんですけれども、これの理由、意図ということについては、どういうことなんでしょうか。

○大古政府参考人 お答えいたします。

 在日米陸軍司令部の改編につきましては、先ほど来先生の御指摘がありました、世界的な米軍のトランスフォーメーションの一環として行われるものであるというふうに承知しております。

 日本を防衛する観点から、それからこの地域の平和と安定を確保するとの観点から、米軍としても、一層迅速かつ柔軟な対処を可能としたいということもございまして、高い機動性及び即応性を有して、統合任務に対処可能な作戦司令部組織として改編する必要があるというふうに承知しております。

○遠藤(乙)委員 この座間へ第一軍団司令部が移転してくるということの意味、将来への影響ということは、なかなか現時点では、必ずしも明確でないわけなんです。私の推測では、多分、これは受け入れ部隊、受け入れの準備態勢であって、いざというときには、いわゆる戦闘部隊が、陸軍が移ってくるのではないかという、その一つのフォーメーションだろうという気がいたしております。

 特に、今、アメリカの場合には、陸軍についても、従来の師団という考え方から、もっと機動性、緊急即応性を重視して、旅団、戦闘旅団という形で、いわゆるBCTですかね、そういう形で、旅団戦闘チームというような形で、もっと柔軟に、かつ機動的に、緊急対応がもっとしやすいような形で今編成を変えていて、従来型のいわゆる師団等の編成と随分変わってきている。トランスフォーメーションの中で、従来型のいわゆる団の編成からまた随分変わってきているわけであって、この辺の認識もよく持っておく必要があるかと思っております。

 第一軍団司令部がここにあるということは、有事の際、あるいはアメリカが判断したときには、いわゆる旅団戦闘チームが多分、その麾下にあるのがそこに集まってくる、米本土、アラスカあるいはハワイ等から来るんだろうと想定されますけれども、そういう認識、理解でよろしいんでしょうか。

○大古政府参考人 お答えいたします。

 米陸軍は、今までのいわゆる師団中心の編成から、柔軟性、機動性、即応性を有する旅団中心の編成に移行するという考えであることについては、先生御指摘のとおりであると思っております。

 他方、日本防衛という観点からは、今回は司令部の改編だけでございますけれども、従来から、日米安保体制のもとに、米本土なりから来援兵力が来るというのは十分あり得ますので、今回の座間の司令部については、そういうときの核となる司令部になるというふうに承知しております。

○遠藤(乙)委員 これは外務省に対して質問したいと思いますが、そういう形で、トランスフォーメーションの中で新たなそういったフォーメーションができるだろう。いざというときには、いわゆる旅団戦闘チームが駆けつけてくるということが想定をされるわけでありまして、従来、いわゆる安保条約上の事前協議については、在日米軍の重要な配置変更について事前協議をするということになっておりまして、陸軍については一個師団程度、それから空軍についてはこれに相当するもの、そして、海軍については一機動部隊程度がいわば事前協議の対象になるというふうに理解をしております。

 この新しいトランスフォーメーションのもとでの軍団編成における旅団戦闘チーム、これの移動、もし日本に来るとなった場合、そういった場合は事前協議の対象になるのか否か、その点についてはどうなんでしょうか。

○西宮政府参考人 御指摘のとおり、配置における重要な変更に該当する米軍の規模といたしましては、例えば陸上の部隊ですと、一個師団程度の配置ということが、いわゆる藤山・マッカーサー口頭了解により、日米間で了解されております。

 お尋ねの点でございますが、事前協議制度というのは、具体的事案に即して、我が国が自主的に判断して許諾を決定するために設けられた制度であり、今後とも、日米安保体制の重要な一部であると考えておりますが、そもそも配置における重要な変更を事前協議の主題といたしましたのは、施設・区域の提供など、我が国の受け入れ体制の面で大きな影響があり得るとの考慮によるものであり、こうした見地から、適当な基準として、先ほど申し上げました一個師団程度という規模が日米間で合意されたものでございますので、現在の事前協議制度の基準の見直しを行うという考えはございません。

 なお、ここで話題になっております配置における重要な変更の配置というのは、米軍が我が国の施設・区域を本拠とし、あるいは根拠地として駐留する場合をいうものでございまして、いかなる場合を想定して本拠あるいは根拠地として駐留するというふうに該当するか否かという点につきましても、個々のケースについて米軍の活動の実態に即して判断すべきものかと考えております。

○遠藤(乙)委員 そうすると、いわゆる新しい旅団戦闘チーム、これについて、複数の旅団が来る場合、量的に例えば師団規模になった場合、それは事前協議の対象になるんですか。

○西宮政府参考人 お答え申し上げます。

 あくまでも一つの目安として一個師団程度ということでございまして、具体的なケースで考えていく必要があると思いますし、先ほど申し上げましたような実際の配置になるかという点もいろいろと考えてみる必要があると存じます。

○遠藤(乙)委員 続いて、岩国の件につきましてお聞きしたいと思っております。

 グアム移転とともに、私は、厚木から岩国への移転、もう一つの非常に重要な要素であると考えておりまして、注目しているところなんですが、今までのところは岩国は反対ということで、非常に混乱しておったということでございますが、この三月二十三日の時点で、岩国市議会が決議案を多数決で採択して、国が判断した安全保障上の施策の重要性を理解し、現実的かつ効果のある取り組みを求める決議案を採択したと。三十四名の議会の方の二十二名の賛成で採択したということがありまして、これは非常に重要な動きだなと思っております。また、市長もこの決議を受けて、重く受けとめたいという発言をしたと伝えられておりまして、かなり柔軟姿勢に転ずる兆候であるのかなというふうにこれは認識をされるわけでございます。

 この岩国への受け入れ、非常に重要な問題でありますので、ぜひ防衛省としても丁寧に、また全力を挙げて、市側またはさまざまな、議会も含めて協議をしていただいて、ぜひともスムーズな受け入れ、市も満足し、住民も満足し、また国も満足できるような、そういった解決にぜひ取り組んでいただきたいと思っております。

 まず、この新しい決議の採択という状況をどう防衛庁としてはあるいは施設庁としては判断をしておられるか、お答えください。

○久間国務大臣 私も市議会の皆さん方ともお会いしました。また、市長さんともお会いしました。市議会の皆様方も、そういう決議をされる前でございましたけれども、やはりかなり理解を示していただいております。あるいはまた、そういう市議会とか市だけではなくて、いろいろな自治会がございますけれども、連合自治会等においても、やはり協力するところは協力せぬといかぬのじゃないかという空気が強くなっておりまして、大変ありがたいことだと思っておりますから、これから先も、やはり皆さん方に理解を得るべく努力をしていきたいと思っております。

 市長さんは、選挙のときにそれを掲げてやっておられるだけに、直ちに賛成とはなかなか言っていただきにくい環境にあるかもしれません。しかしながら、やはり、市議会あるいは市の自治会、いろいろなところが、これだけ沖合にあって、厚木と比較したときには、岩国の方は騒音が少ないんだから、日本全国のいろいろなトランスフォーメーションの中で、やはり考えるところは考えぬといかぬのじゃないかという空気については理解を示していただいているような雰囲気もございますので、私たちもまた粘り強く市長さんにも御理解を得るべく努力していきたいと思っております。今言われましたように、丁寧にこの問題については対処していきたいと思っております。

○遠藤(乙)委員 その丁寧にという具体的な中身なんですけれども、一つは、多分非常に重要なのは、SACOの関連補助金として十九年度に予算計上が見送られた市庁舎整備補助金三十五億円、これは本来、岩国が期待しておったんですけれども、今までの経緯の中で防衛省はこれを計上しなかったということなわけであります。これがまず非常に重要な、丁寧な協議の一環になろうと思いますので、ぜひ岩国側とよく協議をしていただきたい、これが一点。

 もう一つは、民間空港再開ですね。これも非常に地元の、特に財界の期待が強い、二点目。

 それからまた、愛宕山地域開発事業、これも非常に厳しい状況になっているようでありますが、市としてもどうこれを持っていくかということが今後の大きなテーマになっております。例えば、米軍住宅のここへの建設とか、あるいはまた、特に今、国立病院センターの移転が問題になっておりまして、地元の市並びに住民の側から、ぜひ愛宕山に移してほしいという声が強いようでございます。

 こういった要素をパッケージとしてやっていくことが非常に重要な、丁寧なこれからの説得の具体的な取っかかりになるだろうと思っておりますが、それぞれにつきまして、どういう状況か、どういう見通しかにつきまして、施設庁、御説明を、これは大臣ですか、お願いします。

○久間国務大臣 施設庁の場合は、どうせかたい話になりがちでありますから、私なりの考え方を述べさせていただきます。

 これは市長さんにも言った話でございますけれども、確かに、SACOの合意で移ってくるということで、岩国市は市庁舎を建設されて、それに対する補助金を約束してやったわけであります。ただ、それを各年度の予算補助でやりますよという約束でやっておりますので、予算の申請をするときに、今度の米軍再編で反対と言っておられるときに、やはりもう国民の税金を予算編成で計上するというのはなかなかやりにくい環境にあったために予算計上できなかった国側の立場も理解してくださいよという話を私も市長さんにしました。

 さはさりながら、前に一たん約束をして、状況は、こちら側の状況で、こちら側の事由でトランスフォーメーションがもっと違った形になってきたんだということについては、じくじたる思いは私自身だって持っておりますから、その辺はこれから先いろいろと詰めながらやっていこうじゃございませんかという話をしておりますので、そういうことで丁寧にやっていこうと思っております。

 それと、米軍住宅の話でございますけれども、これについては確かにいろいろな、米軍住宅とかいろいろな利用の仕方もありますけれども、現在の土地が、かかった経費が非常に高いですけれども、もし国が買って米軍住宅にしようと思う場合でも、やはり時価が決まっておりますからそれ以上に買うことはできない。そうすると、その差額については、県と市がどうするかという腹を決めなきゃならない問題がその前提としてまずあるわけですね。それがどうなるのか、県と市でよく話し合っていただきたいという話をしております。

 それと、民間空港については、最終的には、これは国交省だけではなくて、民間航空会社が果たしてそこに乗り入れをするのかしないのか、この問題もございますけれども、我々としては、市が望まれるならば市が望まれる方向で、いろいろな形で後押しはしていきたいという気持ちはございますというような形で、市のいろいろな考え方についてできるだけ聞きながら話をしていこうと思っておるわけでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤(乙)委員 あと一点、国立病院の移転の問題です。これも一言、大臣から。

○久間国務大臣 これも、国立病院、まあ厚労省の問題でございますので、他省庁の私どもが言うわけじゃございませんが、やはり市がそういうような気持ちを持っているというのは、間接的にはできるだけ伝えていきたい。

 ただ、国立病院の統廃合の問題というのはまた別の角度からいろいろ議論されるわけでございますから、そういうベッド数が必要かどうかを含めて、それは別のサイドで議論されるので、私は今ここでそれに対して前進する方向での答弁をするわけにはいかぬという、そこも御理解賜りたいと思います。

○遠藤(乙)委員 大臣から大変懇切に、また非常に含蓄のあるお言葉をいただきまして、これは非常にいい方向に動くのかなという感じを私は持った次第でございます。

 防衛庁が防衛省となり、特にこういった地元に対するいろいろな交渉、これは大変重要な要素だと私は思っておりまして、今まで以上に政治的な感覚を生かしていただいて、リーダーシップをとっていただいて、話をまとめていただく、大事なことだと思っております。

 政治は技術、政治は可能性の芸術と言われておりますので、今回の市議会のこういう非常に現実的な決議をいいチャンスとしてとらえていただいて、パッケージで進めていただければよい結果になり得るものと私は思っておりますので、ぜひとも、大臣のリーダーシップのもと、防衛省の強力な取り組み、また丁寧な取り組みをお願いいたしまして、私の質問といたします。ありがとうございました。


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