平成十八年十一月二十八日(火曜日)
午前九時三十分開議

○遠藤(乙)委員 公明党の遠藤乙彦でございます。
この防衛省移行法案につきましては、国民の多くの方々がいろいろな懸念があるということで、先般、私いろいろの質問をいたしまして、長官から大変明快な、また懇切な御説明がありまして、そういった懸念は払拭されたものと考えておりますので、違う論点につきましてお聞きしたいと思っております。
それは、防衛省移行に当たって長官が大変力説しておられるのが、政策官庁としての機能強化ということが一番強調されておられまして、それは私も全く同感であります。その上でお聞きしたいと思っております。単なる看板のつけかえではなくて、まさに防衛省、日本の防衛を預かる防衛省として、政策的なそういった機能強化をする、これは大変重要な点でありまして、ぜひともやっていただきたいということであります。
その上でお聞きいたしますけれども、そういった意味で、この法案をもう一回見たとき、その必要性はよくわかるわけなんですけれども、現行の設置法あるいは今回の改正法案にも、防衛政策の企画立案に関することという条項が全然ないんですね。これは、例えばほかのところを見てみますと、外務省なんかの場合には、設置法第四条「所掌事務」の中に、日本国の安全保障等にかかわる外交政策に関することということが明確に書いてあります。ところが、防衛省設置法には、防衛に関することというのはあるんですけれども、防衛政策の企画立案、これは、防衛白書には出ております、ところが、この設置法にはどこを見ても書いていないということなんです。
長官として、防衛省移行について、防衛政策、政策官庁としての強化が必要だという認識はどこから出てきているのかということにつきまして、お聞きしたいと思います。
○久間国務大臣 法律というのは、具体的に列挙しますとそれ以外のことができない、そういうふうに読まれるわけですね。だから、これこれの政策に関すること、企画立案に関することとなると、じゃ、それ以外のことはだめだということになりますから。
本当言いますと、防衛並びに警備に関することというと、非常に幅が広くなり過ぎているから、この辺の表現も、現在あります表現だって広過ぎやせぬかな、そういう気がしないでもないんです。だから、そうすると、もう少し具体的に書いた方がいいのかなという思いはありますけれども、書いてしまうとそれ以外の所掌が今度入らないことになりますから、そういう意味で、現在あります防衛に関することで、政策立案あるいは企画、そういったこと、あるいはそれに関係する調査からいろいろな情報の収集まで入ってきますので、私は現在の規定の方が幅が広いと思っておりますので、だからこの条文でいいんじゃないかなと思っております。
一方では、幅が広過ぎやせぬか。そうすると、防衛に関することだったら、外務省との仕分けはどうなるんだとか、あるいはまた治安の問題とかなんとか、特にこれから先、テロとかなんとかになりますと、防衛とテロとの関係でそこの境界はどうなるんだとか、そういう問題もないわけじゃないと思います。
しかし、防衛に関することという方が広いということで、企画立案も入っているというふうに思っておりますので、少なくとも政策に関すること、企画に関することについては、私はこれでいいんじゃないかなと思っておるわけです。
○遠藤(乙)委員 確かにそういう考え方もあるかと思いますが、ただ、政策官庁として非常に強調されている以上は、やはり防衛政策、政策という言葉をぜひ明示的に条文に含める方がベターなのではないかとは思うんですけれども、その必要性につきまして長官はどのようにお考えですか。
○久間国務大臣 その辺については、やはり、みんなが、今度省に変わったのは何なんだ、国の安全政策について、そういうのを担当する役所なんだ、そういう認識を持ってもらうことが一番大事なわけでありまして、条文に細かくそういうふうに書く書かないじゃないんじゃないかなと思っておりますから、私はこれでいいんじゃないかなと思っておるわけであります。
○遠藤(乙)委員 そういったお考え方は理解をいたしました。
そこで、では具体的に、政策官庁として機能強化をしていく場合に、どういう仕組み、例えば人材育成、教育訓練等含めて、具体的にどういう形をお考えなのか、できる限り長官のアイデアを詳しくお聞きしたいと思います。
○久間国務大臣 一般業務の書き方はそういう法律としても、具体的な課とかそういうのになってまいりますと、政策を今度は実行していくわけですから、どういう課がつくられてどういう動き方をするのか、これはやはり国民が注目しているわけでございますから、そういう点では、今度の概算要求でも、先般から問題になっております大臣直轄の独立性の高い監査、監察組織をつくったり、あるいは内部部局に企画評価課とか、これも仮称でありましょうが、日米防衛協力課とか、支分部局なんかもまた再編しながら、具体的に課をつくることによってかなりの具体性が出していけるんじゃないかなと思っているわけであります。
○遠藤(乙)委員 私は、特に防衛に関する政策立案機能強化の点では、一つは情報収集機能の強化、もう一つは戦略的な思考力の強化といいますか、これは難しい課題なんですが、これは大変重要ではないかと思っておりまして、そういった意味で、長官の場合、情報収集機能の強化、それから戦略的な思考力の強化といった点、この点については具体的にどのようにお考えでしょうか。
○久間国務大臣 戦略性は大事でございますから、やはりそういうものにたけた人たちを中心として、戦略企画室といいますか、そういうようなグループといいますか、課、室をつくって、そういうところでやっていくとか、これは必要だと思いますので、それもたしか概算要求の中に入れていると思います。
○遠藤(乙)委員 一つ、私の具体的な提案といいますかあれなんですけれども、そういった戦略的思考力、しかも非常にグローバルな視野を持った情報収集力、あるいはまた戦略的思考力を育てる意味でも、例えば世界の主要国の戦略問題研究所みたいなところにそういった職員を研修なりで派遣する、これは、人脈をつくる上からも、またいろいろな国のそういった安全保障に関する文化を知り、また戦略的な思考を高めるために非常に重要であると私は思っておりまして、特に海外研修、こういったことは今後積極的にやるべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 これは従来からも、防衛研究所がございまして、そこには外国からも来てもらっているし、また防衛庁の方からも、防衛研究所から行く場合もありましょうし、あるいはまた、防衛研究所じゃなくて直接、今言われたように、海外の、よその国のいろいろなそういう戦略を研究しているところ、そういうのに留学といいますか派遣といいますか、そういう形で情報交換に行っているわけでもありますので、それはこれから先、強化していくことが大事だと思っております。
○遠藤(乙)委員 日本の場合、戦術的なことは伝統的に非常にたけていると思いますが、戦略的な思考がどうも弱いというのが日本の、これは何も防衛に限らず、一般企業でも、例えば工場長レベルぐらいまでは非常に優秀なんですね、工場長とかエンジニア、これはもう世界トップだと思います。ところが、経営トップに行くに従って、戦略的な思考力とか広い視野に欠けて、どうも見劣りがするというのが一般的な評価でありまして、日本がこれから本当に安全保障政策を過たずいくためには、やはりこの戦略的な部分の強化、これが最重要なポイントだと思っております。
きょうは時間がありませんので余り議論できませんが、ぜひともこの点につきましてひとつ最大の御配慮をいただいて、特に人材育成が非常に重要だと思いますので、広い視野を持った、またそういう戦略的思考にたけた人材の育成に最大の努力をすることが、防衛省移行にとって最も重要なポイントではないかと思っておりますので、ぜひこの点を要望いたしまして、私の質問といたします。
以上です。
|
|