第164回国会 本会議 第14号


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平成十八年三月十六日(木曜日)
    午後一時三分開議



 日程第五 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)

○議長(河野洋平君) 日程第五、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。文部科学委員長遠藤乙彦君。



 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕



    〔遠藤乙彦君登壇〕

○遠藤乙彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、国の補助金等の整理及び合理化等に伴い、公立の義務教育諸学校の教職員の給与等に要する経費の国庫負担率を改め、都道府県が給与等を負担する教職員の範囲を定めるとともに、公立の義務教育諸学校等の施設の整備に関する事業に充てるための交付金制度を創設しようとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。

 第一に、公立の義務教育諸学校の教職員の給与等に要する経費の国庫負担率を二分の一から三分の一に改めるとともに、公立の小中学校、盲・聾学校の国庫負担制度と養護学校の国庫負担制度を統合すること。

 第二に、都道府県が給与等を負担する市町村の教職員の範囲を明確にすること。

 第三に、公立の義務教育諸学校等の施設の整備に関する事業に充てるための交付金制度を創設するとともに、法律名を義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律に改める等の所要の改正を行うものであります。

 本案は、去る二月二十八日本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、三月三日小坂文部科学大臣から提案理由の説明を聴取した後、八日から質疑に入りました。十四日には参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を重ねた後、昨十五日質疑を終局し、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)



○議長(河野洋平君) 討論の通告があります。これを許します。横山北斗君。

    〔横山北斗君登壇〕

○横山北斗君 民主党の横山北斗です。

 民主党・無所属クラブを代表し、政府提出の国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案に反対する立場から討論を行います。(拍手)

 本法案に反対の理由として、三点挙げさせていただきます。

 第一は、義務教育費の国庫負担割合を二分の一から三分の一に引き下げたとき、都道府県それぞれの財政力に大きな差があるにもかかわらず、なお義務教育の根幹である教育の機会均等、教育の水準確保、無償制を全国一律に維持していくことが可能であるのかどうか、納得のいく説明がありません。

 政府は、この法案を義務教育の充実を目指すものだとして提出してきました。そうであるならば、政府は、義務教育への国の財政負担を減らすことが義務教育の充実につながるのだという根拠を示すものでなければならないのです。

 しかし、これまでの議論においては、そのような根拠が示されるはずもなく、それどころか、我が党議員から、独自財源の少ない地方における教育費確保の困難さが指摘されたことに対し、文部科学省は、教育環境を整備し、現状をしっかりと守っていける担保がこの法案には必ずしもないと答弁しているのです。

 第二に、本法案は、民主党の掲げる教育施策とは、その考え方を異にしている点で支持できません。

 民主党は、義務教育に関しては、特に学校設置者及び現場への大胆な権限移譲の必要性を主張してきました。義務教育費を充実させ、全国一律の教育水準を維持しながら、同時に、地域の特性を生かした豊かな人間形成をはぐくむための施策として、これを主張してきたのです。

 ところが、このたびの政府案では、国が学習内容に対する権限を、都道府県が人事権を、市町村が学校管理権と設置権を持つというこれまでの状況、つまり、それぞれが権限を有することでもたらされてきた教育の無責任体質、これを見直す内容が全く含まれておりません。

 本法案を議論するに当たっては、地域の特性を生かした学校の設置など、現在一部の教育の特区においてしか認められていない教育環境を全国に展開していこうとするアイデアもありましたが、結局、法案に盛り込まれるまでには至らず、単に、特区における教職員の任用と給与支払いとを全国の市町村で行えるようにしただけです。これでは自治体の財政力によって給与格差が生まれ、それが教育内容の地域格差となってあらわれるおそれがあります。

 最後に、第三として、教育の二極分化が義務教育段階で発生している現実に、政府・与党は目を背けていると思われます。

 新年早々の新聞に、公立の小中学校で文房具代や給食費などの援助を受けているという児童生徒の数が、二〇〇四年度までの四年で四割増になっているという調査報告が載りました。その原因はもちろん、親のリストラ、給与水準の低下にあります。塾通いに何万円もかけることのできる子供もいれば、学用品の援助を受けなければいけない子供もいる、このような格差を放置するわけにはいきません。

 そのことを十分理解されているからこそ、義務教育費国庫負担金の削減には、実は文部大臣は反対、与党が招いた参考人までもが反対、それでも、最後の最後で苦渋の決断を迫られた結果、本法案が提出されてきたのです。

 しかし、いかなる事情があるにせよ、財政赤字削減の処方せんとして教育財源にメスを入れることは、人づくりで今日を築いてきた我が国にあっては、どうあっても容認することはできません。

 本当は同じ教育信条を抱きながら、しかし、賛成に回らなければならない立場の政党に属されている皆様、私ども民主党は、堂々と教育の正論を訴え、義務教育を守ることをお誓い申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)

○議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。



○議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

○議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。



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