第162回国会 予算委員会 第11号


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平成十七年二月十四日(月曜日)
午後一時開議



○遠藤(乙)委員 公明党の遠藤乙彦でございます。

 私も、きょうは経済、外交集中ということで、特に北朝鮮、中国等の関係を中心に質問させていただきたいと思います。北朝鮮につきましては、今の茂木委員の質問で大部分カバーされております。重複を避けて質問していきたいと思っております。

 小泉政権の外交面の成果、これを今考えてみると、私は二つの大きな成果があると思っております。一つは、日米関係。ブッシュ大統領との個人的な関係を通して今までにない日米関係を強化された、これは大変大きな功績であろうかと思っておりまして、今後の日本外交の展開にとって重要なアセットであると思っております。もう一つは、北朝鮮の拉致問題に風穴をあけたということでありまして、今までの政権ができなかったことを総理の決断と行動で見事にこの風穴をあけた。五人の方が帰ってこられ、また家族の方も帰ってこられた、これは大変大きな成果であるかと思っております。

 では、これからの課題は何か、特に外交面での課題は何かといろいろ私なりに考えたんですが、それは一言で言って対アジア戦略的外交の構築ということだろうと私は思っておりまして、総理にぜひとも次の課題に向けてひとつさらなる指導力の発揮をお願いしたいというのが、きょうの私の質問の基本テーマでございます。

 北朝鮮につきましては既に茂木委員の質問で大部分カバーされておりますが、この二月十日の文書、私も見まして、まことに遺憾で非建設的な文書であると憤慨をいたすとともに、よく読んでみると、北朝鮮にしてはかなり抑制されたトーンだなという感じも受けたわけであります。

 六カ国協議そのものを壊すとは言っていない、無期限中断ということでありますし、また核兵器を、今後本格的に核武装するとは書いていない、核兵器庫をふやすと書いてある。また、一番最後には、対話と協調による朝鮮半島の非核化については基本的に変わらないということも宣言をしております。北朝鮮一流の激しいレトリックはいつものとおりでございますけれども、全体のトーンを見ると、むしろ抑制されたトーンだなということに逆に注目をした次第でございまして、むしろ、これを私なりに見ると、六カ国協議に戻るに当たって、ぜひ条件を整備してくださいよ、ぜひ戻りたい、そういった催促のようにも聞こえるわけでありまして、ぜひ、そこら辺は慎重に分析の上、対応を進めていただきたい。

 特に、日本政府として、今回の声明に対して冷静に、そしてまた六カ国協議再開に向けて関係国と十分協調の上対処する、まことにこれは正しい方策であると思いまして、私も全面的に賛成をするものでございます。その上で、今後、もう少し長い目でこの北朝鮮問題を見てみますと、私は、北朝鮮にとっても二つのシナリオの間で揺れ動いている、思い悩んでいるというふうに思っております。

 一つは、軍事的な冒険主義に突っ走っていく。今後、核実験を行い、さらに本格的な核武装の道に進んでいくという道であります。しかし、これは大変大きなリスクを伴う。将来的には国際社会からの制裁、あるいは軍事制裁の可能性もあるわけでありまして、北朝鮮にとってはこれは非常に大きなリスクを伴う。当然、日本にも大きな被害が及ぶ可能性があるわけであります。

 もう一つのシナリオは、いわばリビア型の解決といいますか、昨年、リビアは、大量破壊兵器の放棄を約束して、その見返りに、国家としての安全保障、また国際社会からの協力支援の取りつけを行ったわけでありまして、このリビア型の解決というシナリオがある。

 多分、今の北朝鮮は、やはりこのリビア型の解決に向けて何とかしたい、できれば、よりよい条件でこのリビア型解決を求めたいということが今回の文書にもあらわれていると思いまして、そういった意味では、今回の文書の内容は、戦略的なものというよりも交渉戦術上のものだろうというふうに私は判断をしております。多分政府側も同じような認識を持っておられるかと思いますけれども、ぜひ、冷静に、かつしっかりと六カ国協議の開催に向けて御努力をお願いしたいと思っております。

 その上で、この六カ国協議の開催に向けて、やはり何といっても米朝直接対話ということが、これは一つの要素ではないかと思っております。北朝鮮としても、今までブッシュ政権が非常に厳しく北朝鮮を見てきたわけでありますけれども、もう少し対話の道を強化していくということが必要ではないかと思っておりまして、その上では、米朝の直接対話、これを五カ国がきちっと協調をとる前提のもとでやることは、これは非常にプラスの効果があるだろうと思っております。

 また、もう一つは、中国が近く高官を北朝鮮に派遣するということでありまして、最も影響力を持つ中国、また、現に今、王毅大使が日本におられるわけでありますから、極めていい配置になっておりますので、ぜひとも、中国を通しても、六カ国協議に向けての参加に、強力に説得を日本からも働きかけていただきたいと思っているわけであります。

 そういった中で、この北朝鮮の問題は、やはり抑止と対話のバランス、あるいはまた対話と圧力ということをしっかりと進めていけば、必ずこれはいい方向に解決できると私は確信をいたしておりまして、ぜひその面で総理の御尽力をお願いしたいと思っております。

 そこで、先ほどの、一つつけ加える点で、安保理の付託の問題や制裁の問題は既に御回答がありましたので、もう一つ、抑止を強化していく面で、ミサイル防衛のことを一言お聞きしたいと思っております。

 やはり今回の北朝鮮の声明で注目すべきは、公式に初めて核兵器の保有を認めたということであります。これは大変重大なものであると思っておりまして、いよいよ我が国としても近隣国の核の脅威というものに直面せざるを得ない、そういった問題に直面をしてきているわけでありまして、そういった意味では、万が一を考えて、国民を守るための措置は、これはしっかりとつくらなければならない。

 そういった意味で、今進めているミサイル防衛、これを、専守防衛の枠組みのもとで、またシビリアンコントロールをしっかりと確立をした上でしっかりと進めるということはぜひともやらなければならないと思っておりますけれども、この点につきまして防衛庁長官にお聞きいたします。

    〔松岡委員長代理退席、委員長着席〕

○大野国務大臣 北朝鮮問題が、我が国にとりまして、あるいは地域にとりまして、いわば安全保障における重大な不安定要因である、これはもう同じ思いでありますし、それから国際的な拡散防止の努力に対するいわば深刻な問題である、こういうことをまず申し上げたいと思います。

 BMD体制につきましては、御存じのとおり、十五年の十二月十九日の閣議決定で、これをやっていこう、こういうことを決定しております。また、昨年暮れにつくり上げました新しい防衛大綱の中でも、先生御存じのとおり、BMDシステムの整備を含む必要な体制を確立することにより、実効的に対応していこう、こういう記述がございます。予算的には、既に十六年、そして十七年にもお願いをすることになっておりますが、一千億強ずつ、ミサイル防衛のために予算措置を講ずる、こういうことでございます。

 問題としましては、いわば、迅速に対応しなきゃいけない、そこにやはりシビリアンコントロールという理念を盛り込んでいかなきゃいけない、こういうところにあろうかと思います。その点は、ただいま法案を準備中でございまして、いずれお願いしなきゃいけないと思っておりますけれども、この点、まだ十分議論していかなきゃいけないと思っております。

 それから、BMD体制というのは、いわば純粋に防衛的なものである、それからもう一つは他に代替手段がない、これが大変大事なことでありまして、そういう意味で、専守防衛を旨とする我が国の防衛政策に相ふさわしいもの、これは確認をさせていただきたいと思っております。

 その上で、先ほど申し上げましたように、やはり安全を守っていく、国民の皆様に安心と安全をお届けしなきゃいけない、これが一番大事なことでございます。新しいいろいろな脅威、新しい脅威のもと、新しい安全保障という環境の中で、BMD体制、これは引き続いて重視して取り組んでまいりたい、このように思っております。

○遠藤(乙)委員 続いて、六カ国協議に復帰をさせるために、やはりもう少し対話の側面を強化していく必要があるのではないかと私は思っております。その一つは、米朝直接対話、これは六カ国協議の枠組みと並行してあってもいいのではないかと私は思っておりまして、やはり対話のチャネルはいろいろあっていいし、より積極的に本音を話し合っていくためにはいろいろなルートがあっていいかと思っております。

 この点につきまして、これは外務大臣に次にお聞きしたいと思うんですが、米朝対話を促す、あるいはそれを促進することについてどうお考えか、御意見をお聞きしたいと思います。

○町村国務大臣 米朝で、かつてやっていたわけですね。特に民主党政権の時代でありました。それの行き詰まりといいましょうか、結果、当初の期待、合意に反した姿になってしまったという中から、六カ国という枠組みが出てまいりました。それは、ある意味では自然の流れかと思います。なぜならば、米朝はもちろん当事者であるかもしれませんけれども、より直接的な当事者は、韓国であり、中国であり、また日本だ、国境を接しているロシアだということになろうかと思います。そういう意味で、今、六者協議という枠組みがあります。

 私どもとしては、この六者協議の枠組みの中で、その中で同時並行して、米朝だって今までも話し合いをしてきたわけでありますから、そのことは何ら私ども妨げにはならない。ただ、もう六者をやめて米朝だけにまた戻してしまうということは、やはり今の状況ではそれは適切ではないんだろう、こう思っております。

 したがいまして、米朝間のより密接なる対話があるということは、六者協議のプロセスの中で大いにそれはおやりになったらいいし、日本としてもそのためにできる限りの、これは再開された後そういう雰囲気づくり、環境づくりに努力をすることは当然あっていいんだろう、かように思っております。

○遠藤(乙)委員 私も、六カ国協議とは別にということで申し上げたのではなくて、六カ国協議の枠組みの中と同時並行して、米朝もより対話をやった方がこれは前に進むだろうと思っておりまして、全く同じ立場であると理解をしております。

 そういった中で、中国の役割も大変重要でございまして、この朝鮮半島の安全保障を考える場合において、アメリカとともに中国の存在、極めて重要でありまして、中国を抜きにしてまたこれは語ることはできないわけであります。そういった意味では、今後とも中国との対話、協力はぜひとも必要であるというのが一つの点であります。

 さらに、対中関係の重要性ということを考えますと、今、日本の活性化、今後長期的に考えますと、やはり中国というものを抜きにしてはこれは考えられないだろうと私は思っております。

 昨今の景気回復も、これは大部分が中国の経済の好調によるものというのが共通の認識であるかと思いますし、また、貿易にしても、二〇〇四年におきまして、日中間の貿易総額は約二十二兆円、日米間が二十兆円ということでありまして、日中間がついにトップになったわけでありまして、むしろこの傾向はますます拡大するだろうと思っております。また、さまざまな日本の従来の重厚長大産業と言われる不況業種が、中国の特需によって一気に息を吹き返しているのも事実でございます。

 また、今総理が先頭に進めておられるビジット・ジャパン・キャンペーンも、二〇一〇年までに一千万人という目標を立てておりますけれども、これも多分中国の観光客が大宗を占めるだろうと私は思っております。今、実は中国は、経済は八%程度の成長ですけれども、海外への観光旅行は三〇%以上伸びているというのが現状でございまして、二〇〇四年には海外に出た観光客は二千万人、二〇二〇年には、これは世界観光機構の予測によりますと、多分一億三千万人を超すであろうという予測になっておりまして、そのちょっとでも日本に来てくれれば、これは大変な活性化につながる。現に、今、日本の各地域は、特に中国や東アジアの観光客の誘致を通じて、大変これを力を入れ始めております。

 私も、先週は、そういった中国からの修学旅行生の出迎えや、あるいはまた観光客が来たときの歓迎のあいさつ等行ってまいりましたが、これは今、草の根交流の面から見ても、大変すばらしい成果が上がっております。修学旅行生なんかも、今回初めてホームステイを組み込んだわけなんですけれども、これが非常に成功しまして、成田を立つとき、本当に、中国の中学生たちがもう涙を流して別れを惜しんでいたということでございまして、これは日中交流にとっても非常に大きな効果が長期的には考えられると思っております。

 そういったことで、これからの日本の将来の活性化のためにも、また日本がこれから世界の中でさらに活躍をしていくためにも、特に対アジア戦略外交、特に日中関係を改善していくことは、これは極めて重大だということは総理も御認識だと思っております。

 ただ、残念ながら、昨今、四年間にわたって日中双方の首脳同士が往来できないという状況が、これは言うまでもなく靖国問題に端を発してそういった状況になっているわけでありますけれども、やはりこれを打開して、ぜひ、日中間で協力をし、アジア全体で協力をして、日本の国益を伸長していく、そういう環境をつくるのが今後の大きな課題ではないかと思っているところであります。

 そんな中で、総理も、今、東アジア共同体ということを言われ始めております。先般の施政方針演説でも、開かれた東アジア共同体の構築に向けて努力するというふうにおっしゃっておりますけれども、そういった長期の今後の展望を踏まえた上で、どのようにこの東アジア共同体の構築を進めていくのか、総理の所見を伺いたいと思います。

○小泉内閣総理大臣 日本は、アジア重視、これはもう私の就任以来、そのような方針を表明しているわけでありますし、現実にアジア重視外交を展開してきております。

 中国との関係におきましても、私は就任以来、中国の目覚ましい発展というのは日本にとって脅威ではない、むしろ歓迎すべきことだ、今後、日本と中国の関係はますます重要になってくるということは、昨年の十一月のチリでの胡錦濤国家主席との会談におきましても、そしてASEANプラス3の場での温家宝首相との会談でも一致しているわけです。

 私は、今後とも日中関係はますます相互依存関係が深まっていくし、今回の北朝鮮をめぐる六者協議におきましても、中国の働きかけというのは非常に大きな影響があったと思います。

 経済の面を考えましても、これからアメリカと中国並んで、日本の経済の発展にとってもこの関係は極めて重要なものだと思っております。東アジア共同体、これはもう、ASEAN諸国とは日本は今までも一番良好な関係を築いてきて、ASEAN諸国も日本の今までの協力に対して高い評価を下しております。

 そして、今までASEANプラス3という形でASEANと日本、中国、韓国、この三カ国の会合を行ってまいりましたけれども、東アジア・サミットをやろうということで、ことしはASEANプラス3、日中韓じゃなくて、これを一緒にして初めて行おうという会議、既に決定されております。その場合に、それでは、ASEANプラス3とことし行われる東アジア・サミットと、メンバーは同じなのにどういう違いがあるのかという問題が起こってきておりますので、それは今後、ことし五月だと思いますが、日本で行われる外相会議がありますから、その外相会議の場で、東アジア・サミットと日中韓プラスASEANとの関係をよく整理していこうという話になっております。

 今後とも、東アジア全体との関係は決してそのブロックだけにとどまるのではない、仮に東アジア共同体が将来形成されたとしても、より多くの国に開かれた共同体にしていこうということを展望しながら、私はアジア外交重視の姿勢で臨んでいきたいと思っております。

○遠藤(乙)委員 総理の東アジア重視という姿勢を聞き、大変心強く思うわけでありますけれども、その上で、私、一つ参考にすべき歴史的なこと、それは、第二次大戦後のドイツとフランスの関係、これは非常に参考になると思っております。

 といいますのは、かつてドイツとフランスは、非常に双方でナショナリズムが盛んに燃え上がって、ずっと戦争をやってきました。過去五百年間の間に二十七回戦火があったというふうにたしか言われております。特に近世においては大変な悲惨な戦争があったわけでありまして、その反省に立って、第二次大戦後、独仏両国は敵対関係を乗り越えてこれを和解し、今やEUの統合の核になったわけであります。

 これは、特に一九六二年、当時、アデナウアー・ドイツ首相がフランスを訪問しドゴール大統領と会談して、ここから始まったと言われておりまして、その後、二つのことを特に力を入れた。一つは歴史対話です。もう一つは大規模な青少年交流です。この二つが大変、その後のEU発展に向けての流れをつくったと言われております。

 歴史の問題は、これは日本もドイツも似たような状況にありますけれども、ドイツも、単に法的な面でそういった決着をしただけではなくて、心情の面で、特に被害者と加害者という関係においてぜひともこれは乗り越えなくちゃいけないということで、ドイツの方からイニシアチブをとって、積極的に歴史対話、いろいろな教科書の問題も含めて、相互に、お互いにそれを修正し合って、お互いの敵意をかき立てないような、より公正な、より交流を進めるような、そういった教科書に向けて編集をし合ったということであります。

 また、青少年交流は六〇年代半ばから始められまして、今日、約四十年間、今でも続いておりますけれども、約六百万人がこのプログラムに参加したと言われておりまして、修学旅行や勤労青年のホームステイや、さまざまなタイプのプログラムに毎年平均して十五万人ぐらいが参加をしている。その人たちが今成長して指導的立場になって、そのときに培った友情といいますか相互理解が、今、独仏関係がEUの中核となっていく大きな背景になったと言われておりまして、ぜひとも、こういったことを参考に、これからの日中関係の改善、さらには東アジア全体の発展に向けて、ひとつ総理もリーダーシップを発揮していただきたいと思っております。

 また、もう一つ歴史に関していえば、一九八五年に、当時の大統領であったワイツゼッカー大統領が、連邦議会で、荒れ野の四十年という大変有名な演説を行いました。これによってさらに和解を呼びかけ、歴史問題に対するドイツの立場を表明し、和解を呼びかけている。これが大変な反響を呼んで、一気にドイツに対する見方は変わり、さらにドイツの地位が向上し、ドイツの尊敬を集めたというわけでありまして、そういう歴史問題はやはり避けて通れない。

 四つに組んで、お互いに、相互理解できるように努力をしようということはぜひとも必要なことであります。特に、周辺国が理解できる論理で、周辺国に納得性のある論理で日本の立場をしっかりと訴えるということはぜひとも大事であるかと思っております。

 総理が、二度と戦争を起こさせない、そういった意味でいることはよくわかっておりますけれども、そのことをどう周辺国に、国際社会にわかる論理で、わかる表現力でこれを訴えるかということも大事なテーマであります。ちょうどことし、戦後六十周年という節目に当たりますし、そういった中で、総理としてもそういう一つのやり方をするのも、これは一案かと思っております。

 そんな意味で、まず総理に対しまして、今後の対アジア外交、そういった独仏関係にどう学んでいくかということにつきまして、総理の御見解をお聞きしたいと思います。

○小泉内閣総理大臣 独仏関係のみならず、ヨーロッパの歴史を見ますと、敵味方、もうしょっちゅうです。イギリスとフランスにしても、イギリスとドイツにしても、ドイツとフランスにしても、あるいはイタリア等においても、過去何度か血みどろの戦いを繰り広げてきた。しかし、過去のそういう不幸な時期を乗り越えて、現在、EUというお互いの共同体をつくり上げて、友好関係をそれぞれが発展させてきている。

 過去ばかり取り上げて未来の発展をおろそかにするというのは、これは好ましいことではない。日本としても、関係各国と未来に向かって新しい友好関係を築こうということで努力しているわけであります。お互いの立場を尊重しながら、イギリスもドイツもフランスも友好関係を発展させてきているわけであります。日米関係しかりであります。そういうことを考えますと、過去の反省はしつつも、その反省を未来の友好関係に生かす努力がいかなる国とも必要ではないかと思っております。

○遠藤(乙)委員 そういった未来志向の関係ということに関連して、大規模な青少年交流、これは極めて重大な要素であると思っております。特に、学生間の修学旅行あるいはまたホームステイ等、あるいはまたそれぞれの学校でアジア言語を教えたり、アジアの言葉、アジアとの交流をクラブ活動でやったり、こういったことは非常に重要な将来に向けての投資であると思っております。こういった面につきまして、文部科学大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○中山国務大臣 遠藤委員御指摘のように、文化交流、これはやはり基礎だろうと思うんですけれども、特に韓国、中国というのは、経済関係だけじゃなくて歴史的にも文化的にも非常に深いつながりがあるわけですから、ぜひこれは進めていきたいし、特に青少年のレベルについても進めていくべきだ、こう考えているわけでございます。

 具体的な数字を申し上げますと、留学生ですけれども、今中国からは七万人以上の留学生が我が国で学んでおりまして、韓国からの留学生も一万五千人を超えております。また逆に、中国、韓国への留学生派遣は合わせて一万五千人以上の規模になっているわけでございまして、高校のレベルでも、中国、韓国などへの修学旅行の実施だけではなく、姉妹校提携とか、あるいは高校生留学なども実施されて、アジア地域との青少年交流は年々深化しているところでございます。

 そのほか、高等学校における中国語、韓国語等の外国語教育の推進とか、あるいは国際的視野を持った教員の育成を目的とします各地域の中核的な教員の海外への派遣、さらにユネスコへの拠出を通じまして、高校生、大学生や教員等の相互交流プログラムの実施、国際文化交流の推進などを通じて、アジア地域との交流、理解に努めているところでございます。

 先般の、あの北朝鮮とのサッカーの試合でもわかりますように、スポーツ交流というのは市民レベルでの相互理解に極めて有効であると思うわけでございますが、実は二月に、私の地元の南郷村というところで百済祭りというのがございまして、これは百済の王様が戦に敗れて日本に逃れてきたときに、宮崎の村民がそれをかくまったといいますか、その後ずっとその遺徳をしのんで、もう千三百年以上お祭りをしているんですけれども、ことし、そこに韓国の小学生たちが修学旅行に来ていまして、ああ、こういうことも行われているんだな、こう思いました。

 また、言いますと、今宮崎は韓国からたくさんのゴルファーが来ていただいておりまして、万を超えるんじゃないかと思うんですけれども、こういうのを通じまして市民レベルの交流が非常に深まっている、本当にすばらしいことだと思うわけでございまして、こういった雰囲気といいますか、機運をもっともっと盛り上げていけば、お互いの国の理解も進んでいくんじゃないかな、こう思っているところでございます。

○遠藤(乙)委員 ぜひ文部科学大臣にもそういった面で全力を挙げて、ひとつ交流を進めていただければと思っております。

 続いて、国土交通大臣にお伺いいたしますが、先ほど申し上げましたが、このビジット・ジャパン・キャンペーン、大変すばらしい企画だと私は思っておりまして、これは総理の大変なヒットだと私は思っております。現に、私自身も地元でそういったプロジェクトを推進して、もう成果が上がりつつありまして、地元でも大変な期待感を持っているところでございます。

 昨年も私、ちょうど二月の十三日でしたね、一年前ですけれども、総理に御質問をして、中国向けのビザの対象地域の拡大を申し上げて、直ちに手を打っていただきまして、大変ありがとうございました。

 ただ、あのときは、当時、北京、上海それから広東省だけだったのを、さらに天津プラス四省に拡大していただいたんですが、いまだに全土ではありません。他方、EUは既に中国全土に対して観光ビザの発給を進めておりまして、やはりこれは限定する理由は余りないんだと思うんですね。ぜひとも、このビジット・ジャパン・キャンペーンを進める以上、また当面、愛知万博のときに暫定的にはこれは拡大すると聞いておりますけれども、ぜひ恒久的に中国全土にも拡大をしていただきたい、これは強く要望したいと思っております。

 これにつきまして、国土交通大臣、お願いします。

○北側国務大臣 今政府を挙げまして、ビジット・ジャパン・キャンペーンを展開しております。昨年は一年間で六百十四万人、外国人のお客様がいらっしゃいました。ことしは何としても、愛知万博もございますので七百万人、ぜひ目指したいというふうに思っております。

 今委員御指摘のように、中国の皆様につきましても、三月の二十五日から愛知万博が始まります、半年間続くわけでございますが、この半年間にビザ発給を全土に拡大しましょうということで、先般、私、中国に行ったときにそうした提案もさせていただいたところでございます。今、日中間で事務的に調整をしておるところでございます。

 ビザの発給の規制改革につきましては、これは中国に限らず、将来的にはやはり拡大していく方向で、緩和していく方向でぜひ進めさせていただきたいと思っております。

○遠藤(乙)委員 以上で質問を終わりますが、中国観光客は大変大きな可能性があるということをぜひ申し上げておきたいと思っております。これが、単に地域の活性化につながるのみならず、草の根交流を通じて日中間の相互理解に大きく貢献するのは間違いありませんので、そういったところから、将来の日中関係の発展に大変重要な施策でありますので、総理もぜひ強力にこのビジット・ジャパン・キャンペーンの促進をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。


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