平成十六年二月二十三日(月曜日)
午前九時開議
○遠藤(乙)委員 おはようございます。公明党の遠藤乙彦でございます。
私は、まず、きょう冒頭、政治倫理に関する件からお聞きしたいと思っております。
古賀潤一郎議員の件につきましては、先週十九日にも、我が党高木議員からも提起したところでございますけれども、やはり政治倫理の確立は、改めてこれはしっかりと強調しなければならないと思っております。特に、信なくんば立たずというのは論語の言葉でありますけれども、政治の前提に信頼が最も大事である、政治への信頼、政治家への信頼なくして政治がそもそも成り立たないといういにしえからの真理でありまして、そういった意味で、この二十一世紀の日本において、もう一度徹底してこの政治倫理の確立を進めなければならないと思っております。
そういった中で、古賀潤一郎議員の学歴詐称問題に端を発しまして、同議員の今日に至るまでの一連の言動、行動は、国民の政治不信、政治家不信を一層増幅をさせているわけであります。
報酬を受け取らないとして歳費支給を拒否したわけでありますけれども、歳費返納が公選法抵触に当たることがわかりますと、国へ供託しようとする。それもかなわず、結局、弁護士を通じて銀行へ預けております。また、文書通信交通滞在費は受け取っているわけであります。一方、月六十五万円の立法事務費を受け取るために一人会派の届け出をしたが、かえって問題が広がることを懸念してか、すぐに申請を取り下げております。
こうした一連の行動は、国民から選ばれた選良として、国会議員としての資質を著しく欠いていると言わざるを得ません。古賀議員は、みずから潔く議員辞職をすべきであると考えております。
この点に関連をしまして改めてお聞きをしますが、このたび、古賀議員の場合、在日外国人からの寄附を受けていたことが明らかになりました。これは政治資金規正法違反に当たると思いますが、どうでしょうか。これは総務省にお聞きいたします。
○高部政府参考人 個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げますと、政治資金規正法第二十二条の五におきましては、「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。」と規定されておりますことから、ここに規定されております外国人等からの寄附であることを認識して寄附を受けた者につきましては、同法第二十六条の二の規定によりまして、三年以下の禁錮または五十万円以下の罰金に処するものとされているところでございます。
○遠藤(乙)委員 この点に関連をしまして、古賀議員の場合、外国人から寄附金を得たということが判明するや、寄附金を返還するとともに収支報告書において返金の報告をするとしておりますけれども、返金すれば法的に問題はなくなるという性質のものなんでしょうか。この点につきましてお聞きいたします。
○高部政府参考人 これも一般論として申し上げさせていただきたいと存じますが、政治資金規正法におきましては、一たん寄附として財産上の利益を収受したものでありますれば、後に返却した場合であっても、寄附を受けたという事実関係は変わらないもの、かように認識しているところでございます。
○遠藤(乙)委員 この点は、ぜひ、きちっと明確に司法的な処理をしていただきたいと思っております。
次に、法務省にお聞きいたしますけれども、古賀議員に対しまして、福岡県警に公選法違反、虚偽事項の公表容疑で告発状が出され、受理されたとの報道がございます。告発受理後、捜査に入ったとの報道がないわけですけれども、捜査当局は捜査、調査段階に入ろうとしているのか、現状を伺いたいと思います。これだけ世間を騒がせ、国民の非難を古賀議員は浴びているわけで、速やかに調査、捜査する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○樋渡政府参考人 お尋ねは捜査機関の活動内容にかかわりますことから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
なお、御指摘のとおり、福岡地方検察庁におきましては、お尋ねについて、告発状を受理した旨公表しているものと承知しておりまして、関係機関とも連携の上、法と証拠に基づいて適宜適切に対処するものと承知しております。
○遠藤(乙)委員 きちっと捜査、調査をして、国民の前に理非曲直を明確にしていただきたい。強く要望するものであります。
そこで、麻生大臣にお聞きいたします。
公選法を所管する担当大臣といたしまして、今回の古賀潤一郎議員の件、そして政治家のあり方についてどのようにお考えになるか、所感をお聞きしたいと思います。
○麻生国務大臣 これは、個別の案件で、まさに告発をという話の真っ最中ですので、これに対して個別にどうのこうのと言う立場にはないと思っておりますけれども、少なくとも、選挙に出て、選挙違反等々を考えますと、これはやはり選挙運動また政治資金等々につきましては、公職選挙法また政治資金規正法というものをきちんと守ってやる前提で選挙をやっておるわけで、片っ方が守っていないという話になると話が公正さを欠くことになると思っておりますので、これはきちんと対応をしていただかないと当然違反になるのであって、今言われましたようなことが事実でありました場合は、これは明らかに公職選挙法違反ということになるんだと思っております。
○遠藤(乙)委員 それでは、次のテーマに入ります。
医療費の構造改革あるいは医療の構造改革というテーマに私は触れたいと思っております。
今の社会保障の中で、年金、医療というのは大変大きなウエートを占めておりまして、しかも急速に増大しつつあるというのが現状でございまして、どうやってこの構造改革をしていくかということは、これも一つの大きなテーマであると思います。
年金につきましては減らすわけにはいかないんですけれども、医療費については、かなりこれから医療費の伸びを抑える、あるいはまた削減に向けて踏み込むことも可能ではないかと私は思っておるんですが、特にそれは一次予防、これを徹底的に進めることによって、片や国民の健康を高め生活の質を高めるとともに、結果として医療費の抑制ないし削減に取り組むことができる、大変重要な構造改革のテーマではないかと私は考えているところでございます。
特に、今、医療費が大体年率六ないし七%で増大をしつつある、また国民所得の比率にしても七%を超える段階に来ておるわけでありまして、そういった意味で、国民の健康の増進とまた財政のスリム化、一石二鳥の非常に重要なテーマであると私は考えているわけであります。
そこで、日本の場合、病気の質が変わってきております。かつては、終戦直後は感染症等が中心でありましたけれども、今、これはかなり減ってきて、むしろいわゆる生活習慣病が大宗を占めております。
生活習慣病につきましては、これは一九九六年に、従来、成人病という名前であったものが生活習慣病という名前に変更されたわけでありますが、これは予防のあり方について非常に一つの見方を示したものと思っております。
予防の中には、一次予防、二次予防、三次予防とあることは御承知のとおりでございますが、一次予防というのは、そもそも病気にならないようにどうするかというやり方、それから二次予防というのは、病気になって早期発見、早期対処という考え方、三次予防というのは、病気がこれ以上悪くならないように何とか手を打つ、そういった段階でありまして、その段階に応じて、いろいろなやり方あるいはコストというものが大きく変わってまいります。
そういった意味で、生活習慣病というのは、やはり一次予防を志向した一つのネーミングでありまして、大変これは重要な一つの見方の変化であると私は思っておりまして、それを踏まえて、二〇〇〇年に健康日本21といういわば基本方針が発表され、また二〇〇二年には健康増進法が成立をしたわけでありまして、この内容は私は極めてよくできたものと考えているところでございます。
ただ、問題は、どうやってこれを実行していくか、定着させるかということが非常に私は大きな課題であると思っておりまして、この点につきまして、国民の健康増進という視点と、そしてまた財政のスリム化という視点から、ぜひ強力に取り組む余地がある、また必要があると考えているところでございます。
それで、具体的な事例から申し上げた方がわかりやすいと思うんですが、日本の中の四十七都道府県、これを個別に見ると、医療費のいわば数字に大きな格差があることに気がつくわけであります。日本の中で一番、特に高齢者医療費が少ないのは長野県でございます。長野県の場合、最新の数字ですと、一人当たりの高齢者の医療費、年額約四十九万三千円という数字が出ております。これに対しまして一番高いのは北海道でありまして、一人当たり、年額九十五万三千円と二倍の格差が存在をしております。
また、入院日数につきましても、一番短いのが長野県でありまして、悪いところと比べますと、二・五倍ないし三倍のやはり入院日数の格差があるわけであります。
これに加えまして、長野県の場合には、特に男性の平均寿命日本一、女性が四位でありまして、非常に長寿県として知られております。また、自宅で亡くなる高齢者の比率、これが非常に高いわけでありまして、昨今は、高齢者の方々も寝たきりになって病院や施設で亡くなる方が非常に多いわけですけれども、長野県の場合には、自宅で亡くなられる方が非常に高いという比率があるわけであります。
また、高齢者の雇用も長野県が一番高いわけでありまして、あらゆる指標において、長野県は非常に健康で長寿の生き生きした高齢者のイメージが存在をしているわけでありまして、四十七都道府県という大きな単位でとってみても、大きな格差があることが理解をされるわけであります。
長野県の場合は、私もちょっと調べてみたんですが、もともと医療機関が非常に少ない、医者や看護師さんの数も少ない、病気になってしまったら面倒見切れないよ、したがって、病気にならないようにどうするかという、特に一次予防の視点から徹底的に取り組んだという成果があらわれているのではないかと思うわけであります。
特に、国民健康保険中央会から長いレポートが出ておりまして、市町村における医療費の背景要因に関する報告書という極めて示唆に富んだ報告書が出ておりますけれども、長野県のケースを取り上げ、さまざまな調査をして、長野県のすぐれたパフォーマンスについて、背景につきまして分析をしているところであります。
結論的には、やはり長野県の場合には、何といっても一次予防に徹底的に力を注いだということでございまして、特に医師会や自治体あるいは地域ともどもに一次予防に取り組んで、お医者さんもよく巡回指導に出ては在宅の高齢者の方にもさまざまな健康アドバイスをする、あるいはまた地域で減塩運動とか、あるいは運動を取り入れるそういったキャンペーンを繰り広げるとか、大変地域を挙げてのそういった一次予防への強い取り組みが見られるところであります。
そしてまた、特に一次予防に関連した、栄養士さんであるとか保健婦さんであるとか、あるいはまた健康運動療法士といった、そういった方の比率が非常に高いわけでありまして、長野県の場合、人口十万人当たり、一次予防にかかわる人々の数は全国平均の二倍という高い数値になっておりまして、こういった県を挙げての、また医師会や地域も含めたそういった人々の取り組みが、こういった大きな格差をもたらしているものと考えております。
そういった点で、今後の日本の医療行政には、ぜひ一次予防を核とした体制を徹底的に強化していく、これによって、国民の生活の質の向上とそれから医療費の削減につなげようということが大事だと思っておりますけれども、これにつきまして、厚生労働大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○坂口国務大臣 一次予防が非常に大事だということはもう御指摘のとおりだというふうに思いますが、これは言うはやすくしてなかなか実行の伴わないものでございます。
今、長野県の例をお挙げいただきましたけれども、長野県の場合を見てみますと、医師の活躍もさることながら、やはり保健師さんですとか栄養士さんですとか、そういう周辺の皆さん方の活躍が非常に大きくなっているんではないか。
と申しますのは、非常にきめ細かさが要求されますし、それぞれの地域全体で取り組むと同時に、個々の人に対するいろいろの指導、アドバイスというのが必要になっております。それらのことは、忙しい医師がそれをやるということはどの地域ともになかなか不可能でございまして、そうしたことが実際にやられておりますのは、そういう保健師さんや栄養士さんといったような皆さん方をいかにうまく利用し、利用するというと言葉は悪いですけれども、その皆さん方に参加をしていただいて努力をしていただくということをうまくやれるかどうかということに非常にかかわりが大きいというふうに私は思っております。
したがいまして、これからの健康を増進していきますためには、そうした皆さん方、医師だけではなくて、そうした全体の医療従事者を統合的に見て、そして、その皆さん方にどういうふうに活躍をしていただくかという枠組みをどう構築するかということが大事でありまして、個々の皆さん方に、これは若いときからの積み重ねでございますから、どんなふうな家庭生活あるいはまた職場環境をつくっていただくかといったようなことをあわせてこれは議論を重ねていかなければなりませんし、そうしたことに我々も取り組んでいきたいと思っているところでございます。
○遠藤(乙)委員 一つの具体的な今後の改善の論点として、今、生活習慣病が大宗を占めるようになった、日本全体でも約四千万人が生活習慣病だと言われておりまして、糖尿病につきましては約六百七十万人というふうに推定をされております。
そういった中で、生活習慣病の場合には、個人の努力によって随分とこれは変えることが可能でありますし、長年の自分の生き方、ライフスタイル、あるいはまた健康への努力によって随分と成果が違ってくるわけでありまして、そういった意味では、自己責任をある程度問うといいますか、自己責任をもっともっと重視する体制が私は必要ではないかと思うところでございます。
例えばアメリカの場合、健康保険は基本的には民間でやっておるわけでございますけれども、一たん健康保険に入ると、栄養士さんが来たり健康指導者が来ていろんな生活指導をしてリスク要因を下げるように努力し、また、いろいろな問題がある場合には逆に保険料を高く設定するとか、非常に個人の努力に対するインセンティブあるいはディスインセンティブといったものが明確になっております。
日本の場合、そういうメカニズムはないわけでありまして、気ままに生活して生活習慣病になって高い治療費を払う人と、自分で努力し節制をして健康を維持している人と保険料が全く同じというシステムは、どこかこれは合理的ではない面があると思います。
もちろん、感染症とかあるいはまた先天的な欠陥による病気の場合には、当然これは公的な費用で負担すべきだと思いますけれども、自己責任で、自己の努力で変えられるものにつきましては、ある程度そういった自己責任を重視するメカニズムをやっぱり制度に内在していくことが、これからそういった健康増進と財政のスリム化につながる重要な論点になると思いますけれども、この点につきまして、厚生労働大臣の所見をお聞きしたいと思います。
○坂口国務大臣 医療保険の場合には、日本の場合に、どういう生活をしておみえになる方でありましても同じ保険料ということになっているわけであります。
民間のように、リスクの非常に高い生活をしておみえになる人には保険料を高くするというようなことは今のところないわけでございますが、これから先、例えばたばこを吸われる方と吸われない方、そうした方、たばこを吸う方に対する、肺がんだとかいろいろの病気が多いというようなこともわかってきておりますし、そういうことを積み重ねていくことができれば、それは今後、公的保険といえども、同じようにみんな扱うのが公平なのか、それとも、そうした生活について御努力をしていただいている人と、していただいていない人と、それは考えていかなきゃならないのか、そんなことも若干は検討していかなきゃならないというふうに思っておりますけれども、今のところ、まだそこまでは至っておりません。
○遠藤(乙)委員 私は、特に健康保険の場合には、自動車保険の考え方がかなりといいますか、ある程度これは参考になるのではないかと思っております。全く事故を起こさなかった人についてはノークレームボーナスというのがあって、保険料が下がるシステムになっておりますし、あるいはまた、今、運転免許証なども、ゴールドカードというのがあって、事故を起こさない人にはそういったゴールドカードが出るということになっております。
健康保険証も、今後、基本的には個人別に発行をして、例えば長いことずっと健康を維持している人にはゴールドカードを出すとか、さらにもっといい人にはプラチナカードを出すとか、そういった形で、健康増進について個人的なインセンティブを与えるようなシステムをもっともっと強化することが、私は、健康増進と財政のスリム化につながるというふうに考えておりますので、ぜひとも、今すぐということはありませんけれども、今後、重要な課題として検討をお願いしたいと思っております。
もう一点、これに関連をしまして、特に生活習慣病の防止についてはやはり教育が大変重要であると思っております。やはり基礎的な知識、また生き方について、食育とか最近言われておりますし、あるいはまた、運動習慣やストレス対処といった問題、そういった基本的な、非常に人間として重要な部分、これは学校では十分教えられておりません。こういったものをむしろ徹底して学校段階で教えることがこういった一次予防にとって非常に役に立つと私は考えておりまして、そういった点で、ぜひ文部科学大臣の所見をお伺いしたいと思います。健康教育ということにつきましてお伺いしたいと思います。
○河村国務大臣 遠藤先生御指摘のように、特に小中学校期にそうした生活習慣をきちっとつけることが大事でございます。私も、昨年、就任に当たって、総理から、これまでの知徳体プラス食育を重視した人間力向上の教育改革にと、こう言われております。特に、健康の三原則は、まずはバランスのとれた食事、そして適度な運動、さらに睡眠、休養、これが三原則と言われております。このことをきちっと位置づけていくということが大事だろうと思っております。
このような観点で、既に食育ということについては、学校現場でも、子供たちに対して、学校給食を中心にしながらそういう教育を行っております。「食生活を考えよう」、こういうパンフレットをつくっておりまして、これを教材に使いながら、主食、主菜、副菜、ちゃんとそろっているかとか、どういう食べ方がいいのだろうかとか、おやつはどうしましょうというような、そういうこと、それから、さらに進めていくと、地域の産物と郷土料理、地産地消の問題まで及んでおりますが、こういう形で食事の大切さをきちっと位置づけております。
さらに、体育も一緒にあわせてやらなきゃなりません。保健体育等々で、特に子供たちのストレスをどういうふうに吸収してやるかということ、これも大事なことでございます。そういう意味で、心の健康づくりといいますか、そういうことに配慮をしておるところでございます。特に、生涯スポーツと言われますが、子供のころから、やはり体を動かす、スポーツする習慣をつけてやる、こういうことも大事でございます。
もう一つ、最近の子供たちは、体力の低下といいますか、投げたり、走ったり、跳んだり、少しずつ落ちております。これもやはり気をつけなきゃいかぬことで、この四月から、スポーツ・健康手帳というのをつくりまして、子供に渡しまして、絶えずそれで自分の能力をチェックするようにというようなこともやり、そして、スポーツの環境も整備していこうということで努力をいたしておるところでございます。
さらに、そういうもの全般に、食生活習慣をつけさせるためにということで、これは、栄養士の皆さんにも、今度は、学校栄養教諭制度を導入いたしまして、教壇に立って日ごろからそういうことをきちっとやっていただこう、こういう方向で、御指摘のような、子供たちの健康、食育、そしてストレス対策、運動習慣、これからもさらに努めてまいりたい、こう思っておるところでございます。
○遠藤(乙)委員 学校教育の現場におきましても、健康日本21の考え方をぜひとも徹底をして、健康教育を進めていただきたいと希望したいと思います。
最後に一点だけ、少子化対策、もう時間がありませんので、お聞きしたいと思いますが、今、日本全体の合計特殊出生率は一・三二、非常に低い水準にありまして、このままいくと、百年後には日本の人口は半減、七百年後には日本の人口はゼロになるというとんでもない数字なわけでありまして、さまざまな暗い影を日本に投げかけているわけであります。
しかしながら、少子化の原因は、なぜ少子化していくのか、どうしたら出生率を回復できるかということは、日本の将来のさまざまな、経済や雇用やあるいは社会保障、すべてにとって重大問題でありますが、これも今、日本全体、平均値で見ると非常に低い数字ですけれども、個別に見るとまた非常にばらつきがあります。
三千二百の自治体、市町村があるわけですけれども、一番低いのは東京の目黒区で〇・八一という数字でございます。それから、一番高いのは、鹿児島県沖永良部島の和泊町という町で二・五八という非常に高い数字になっておりまして、三倍以上の格差があるわけであります。
私なりに調査をしたんですが、結論から言うと、和泊町の場合には、伝統的にファミリーサポートセンターに非常に類似した社会システムが存在をしておりまして、子供は地域の宝であって、親が育てるだけじゃなくて地域社会が寄ってたかって支援しよう、そういうシステムがありまして、健康な高齢者、子育てが終わったお母さんたちがこぞって子育て支援をいわば助ける、これが非常に効果を上げております。ちなみに、そういったシステムを背景に、一人当たりの養育費は月額二万円という数字が、ある調査で出ております。
ところが、目黒区の場合には十四万円という数字でありまして、七倍の格差があるわけです。目黒の場合には、やはり核家族であり、おじいちゃん、おばあちゃんがいない、余り周辺にはそういった育児を助けてくれる人もいませんし、社会システムも十分ない。しかもまた、共働きの場合には、お母さんが仕事をすると、なかなか公立の保育園も見つからないと私立は非常に高い。あるいはまた、ベビーシッターさんを雇うと時給二千五百円から三千円、非常に高いものにつきまして、あっという間に平均値で十四万というとんでもない数字になってしまうわけでありまして、まさにこういった経済的要因が最大の、いわば少子化の背景にあると私は考えております。
特に、要因としては、養育費、教育費、それから住宅費があると思いますけれども、特に結婚したカップルあるいは結婚しようとしている人たちにとりまして、自分たちの未来予想図が全然成り立たない、子供を産めば産むほど破綻してしまうということが明確でありますので、そういった経済的要因が最大の理由であると私は思っております。
この点につきまして、なぜ少子化していくのかということと、それからどうしたらこれを抜本的に変えて日本の未来を明るくすることができるかということにつきまして、厚生労働大臣の所見を最後にお聞きしたいと思います。
○坂口国務大臣 ここはかなり複雑な条件が重なっているというふうに私は見ております。単純明快に言うことのできない問題があろうかと思います。
一番低い東京でも、低いところは、目黒はもう〇・六八ぐらいに一番最近の数字はなってきているんではないかというふうに思っておりまして、大変先を案じるわけでございますが、全体で、総括的に見ますと、晩婚化、未婚化というのがありますし、さらに、最近では結婚している世帯の子供の数そのものが減ってきているということもございます。
その理由は何かということは、いろいろのデータがあるわけです。一つは、今御指摘いただいた経済的なものというのも当然これはあるわけでございます。皆さん方にアンケートを求めますと、やはり経済的というのが一番多くなるんですけれども、しかしそれだけでもない。やはり皆さんにさまざまな心理学者がインタビューをいたしておりますと、産んで得なことはない、こういう御答弁もかなりあるわけで、損得勘定でいきますと、なるほど、私もそれはプラスのことはないのかなと。時間はなくなるし、金はかかるし、自分のやりたいことはできないしということで、非常に短な期間の間の損得勘定で見ればそうだろう。しかし、長い人生の中で、子供のあるなしがいかに大きな影響を与えるかということも考えていただければ、そこはまたおのずから違ってくるんではないかというふうに思っております。
非常に複雑な要素が絡み合って低下してきているというふうに思っておりますが、それだけに、その要因を一つ一つ丁寧に取り除いていくということ以外にないんだろうというふうに思っております。経済的な要因も、それに対して、お若い皆さん方に対してそこをどのようにしていくかということを、これは厚生労働省の範囲だけではなくて、全体でこれはやってもらわなければならないだろうというふうに思っております。
そうしたことをひとつ丁寧に積み重ねていくということがこの少子化対策ではないかというふうに考えている次第でございます。
○遠藤(乙)委員 少子化の問題は日本社会にとって最大の脅威であると私は認識をしておりまして、ぜひとも、この問題につきまして、関係省庁しっかりと連携をして、体系的な分析をし、また、抜本的な政策の充実に向けてさらに努力をしていただくことを期待いたしまして、私の質問とさせていただきます。
以上です。ありがとうございました。
|
|