第147回国会 運輸委員会 第2号 

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平成十二年二月二十四日(木曜日)
午前十時開議

○遠藤(乙)委員 公明党の遠藤乙彦でございます。

 大臣の所信表明を拝見いたしまして、二十一世紀を展望した非常に意欲的な内容でありますし、また、随所に大臣の従来の御所見、御持論が展開をされておりまして、大臣のリーダーシップを非常に強く感ずるものであり、私も大変高く評価をし、また敬意を表するものであります。ぜひとも、この方針に沿った積極的な運輸行政の推進を期待したいと思うところでございます。

 私は、その中で特に、経済新生への貢献という大きな柱立ての中で、大都市圏拠点空港整備の問題に触れられておりますので、この点に絞って、特に私の地元でもあります羽田空港のケースを一つの参考例としながら、御意見を伺いたいと思っております。

 まず最初の大きな視点としまして、こういった大都市圏拠点空港の整備は国家的なプロジェクトとも言えるものでございまして、狭い航空行政の視点にとどまらず、ぜひ、幅広い視野に立った地域の活性化、また日本経済の再生という大きな視点から、戦略的に、総合的に進めていただきたいというのが私の考えでございます。

 特に、なぜそう申し上げるかといいますと、現在日本は深刻な構造不況にあるのですが、その一番の理由は需要が足りないから深刻な不況に悩んでいるわけでございますが、この大都市圏の拠点空港の整備については、国際線、国内線ともに航空需要は極めて大きなものがありまして、供給体制を整備すること、また航空行政をいろいろな形で柔軟に緩和していくことによりまして、一気にこれが拡大をし、また大きな波及効果を生ずるわけであります。

 そういったことによりまして、この拠点空港の整備が日本経済活性化への起爆剤になるという認識を私は持っておりますので、ぜひそういう視点に立った施策の展開をお願いしたいと思っております。

 また、タイミングが非常に重要でありまして、特にこの二十一世紀初頭、最初の十年ぐらいがその集中的期間であって、この間にさまざまなこういった大規模な交通インフラの整備、特にこの拠点空港の整備をやることは、日本の将来の、二十一世紀のいわば国際的地位にもかかわる話でありまして、ぜひこの最初の十年ぐらいの間にめどをつける思いでやられることが政治史的には重要な視点であるかと私は考えております。

 そういった中で、羽田に即して言いますと、羽田の問題は三つの要素がありまして、御承知だと思いますが、羽田空港の国際化も含めた大規模な機能強化という点、それから沖合移転によって出た跡地をどう開発していくかという話、そしてまた三つ目に、羽田空港へのアクセスの改善、特に環状方向の鉄道、道路の整備、これが三位一体の問題でありまして、これを緊密に連携をとりながら、早期に優先的に整備をすることで極めて大きな波及効果、活性化効果が生ずると私は考えておりますので、ぜひその視点に立った施策の促進をお願いしたいと思っております。

 特に、羽田の国際化、特に夜間の国際化だけでも、シンクタンクの試算によりますと年間で二兆円規模の経済効果、雇用で十四万人規模の拡大効果がある、これは最も控え目な見積もりでありますが、それだけのものがあると言われておりまして、そういった点からもぜひ国際化の問題は早急に検討、実現をお願いしたいと思っております。これは要望として申し上げます。運輸省の立場、よく承知しておりますので答えは求めませんが、要望としてまずこれは申し上げたいと思っております。

 それから、二つ目の、これはぜひ大臣の御意見をお聞きしたいのですが、跡地の開発の問題です。

 運輸省のお立場は、空港整備全体の計画が決まらないと跡地の問題は手がつかないというのが行政当局のお立場だと承知をしておりますが、これだと地元は非常に不満感を持っておりまして、そうは言ってもやはり跡地として確定できる部分とそうではない部分、当然論理的には分けられるわけであって、跡地として間違いなく確定できる部分については、そこだけでも全体計画の中で前倒しして開発を進めていくことがいろいろな意味で地域の活性化、また経済の活性化に資するという意見が強いわけでございます。

 まず、この点につきまして、大臣の御所見を承りたいと思います。

○二階国務大臣 まず、冒頭遠藤委員から御意見の開陳がございましたが、私ども十分理解できるところでありまして、今後とも、特に羽田周辺、遠藤委員のお地元でもございますから、十分御意見を拝聴しながら対策を整えてまいりたいと思っております。

 羽田空港の跡地利用計画の策定に先立ちまして、跡地の範囲を決める必要がある、これは役所の考えだろうということでありますが、当然のことであります。現在、羽田空港として将来を見据えた空港計画の見直しを行っておりまして、これによって空港用地の範囲をできるだけ早い機会に定めて、当然跡地の範囲も限定して対応を考えていかなくてはならないと思っております。

 今遠藤委員の御質問を拝聴しながら、跡地の範囲が定まった後にこの跡地の計画を立てていくということでは少し遅過ぎるのではないかということでありますが、当然できるだけ早い機会に跡地利用計画を地元の意向も踏まえて段階的に立てていくということを考えていかなくてはならない。したがいまして、前倒しに対処せよということでございますが、できるだけ前倒しに積極的な対応を図ってまいりたい、このように考えております。

○遠藤(乙)委員 前倒しに積極的に対応する、大変ありがたいお言葉で、感謝を申し上げたいと思います。

 続いて、空港アクセスの問題。これは中馬総括政務次官にお伺いしたいと思いますが、一月二十七日付の運輸政策審議会の答申の中に、通称蒲蒲線と言っておりますけれども、京浜急行の蒲田駅と東急蒲田駅、実はこれは七百五十メートルなんですが、長いギャップがありまして、これがために羽田から環状方向への交通が実は非常に不利な状況に置かれております。これにつきまして、A2ランクでこれが載りました。ということは、二〇一五年までに着工ということでこれが載りました。この点は私は非常にうれしく思っております。

 また、いわゆるエイトライナー、羽田空港から環状八号線に沿って赤羽まで地下鉄で行く、さらには湾岸にまで行くといういわゆるエイトライナーもBランクで載ったわけでございまして、載ったこと自体はうれしいのですが、余りにも悠長な計画だということで、今の日本再生の緊急な状況から見て、タイミングからいって、もっと早くしてほしいというのが希望でございます。

 特に、地元の方からは、我々の目が黒いうちにやってほしい、そういった強い要望が寄せられておるところでございますが、そういった地元の要望にとどまらず、日本経済全体の再生という点から見ても、特にこの蒲蒲線の場合、わずか七百五十メートルの距離でございますので、これがつながれば、既に運輸省からも発表されています都市交通のネットワーク化ということで、東武東上線、西武池袋線まで含めて池袋、それから地下鉄十三号線が今計画中で、それが渋谷まで行く、さらに東横線に入って田園調布からさらにまた東急蒲田まで、全部羽田空港まで直通でつながるわけでありまして、この交通のネットワーク化が持つ価値ははかり知れないものがあると思っております。

 そういった意味で、二〇一五年と言わずもっと条件を早く整えて、早期着工、早期完成に向けてぜひとも御努力いただきたいと思いますが、これにつきまして、政務次官の御所見を承りたいと思います。

○中馬政務次官 このたび羽田の沖合展開で、また非常に容量が大きくなる。と同時に、それはアクセスの問題にもつながってまいりますし、またどんどん入ってこられるので、そこにお住まいの方々に対してのいろいろな問題点もまた出てこようかと思います。

 しかし、今のお話はアクセスの問題でございまして、この間お話がありました運政審の答申としての東京圏における鉄道整備計画、これにおきまして、今の蒲蒲線、これが決定されました。二〇一五年までに整備着手することが適当である路線、このように位置づけられておりますから、私どもとしましても、それに沿いまして、しっかりと地域の要望を担いながらの対応をしてまいりたいと思っております。

 ただ、地下に潜ったり上がったりということがありますので、技術的に若干問題がありますので、そのことの調整を私たちもやっていきたいと思っております。

 それから、もう一つのエイトライナーの方の話も同じく出ておりますけれども、これは二〇一五年までに一つの対象とするというようなことでございまして、着工することはちょっと後になりますけれども、ともかくアクセスにつきましては私どももしっかりと対応してまいりたいと存じます。

○遠藤(乙)委員 ぜひ、少しでも期間を短縮して、実現方よろしくお願いをしたいと思っております。

 続いて、次の大きな視点なんですが、そういった大都市の拠点空港が今後運用していく場合に、やはり地域との共生ということは大変重要なテーマでありまして、ぜひこれを実現していくことが必要かと思います。

 特に、空港運営上騒音や交通等々のさまざまな問題が発生をしてまいりますので、そういったことにしっかりと対処をし、地域住民から理解、支持、協力を取りつけていけるような状況を常につくるということが大事ではないかと思います。

 そういった意味で、私は三つの角度を考えておりますが、交通量の増大や騒音問題等空港の発する負の、マイナスの要素に対して直ちに適切に対処するということが一つ。それからもう一つは、そういった空港の機能強化に伴う利益が地域にもしっかりと目に見える形で及んでいくということが大事、そういった意味で地域との共存共栄といったことだと思います。それから三つ目に、いろいろな航空政策、運用について、地域との対話のあり方、これも非常に大事だと思っておりまして、やはりきめ細かい、幅広い地域住民との対話を常に行ってアカウンタビリティーを高めておくということが、空港の地域との共生の基本にある話だと思っておりまして、この三つのテーマをしっかり追求すべきだと思っております。

 その点、まず第一点に、また中馬政務次官にお願いをしたいのですが、今の羽田空港国内便の増便の問題を、地域と協議を始めております。当然その中で交通量の増大が危惧され、また、今後左旋回ですね、北に向かって離陸し左旋回、住宅地の上を飛ぶ可能性も出てまいりますので、騒音問題について非常に強い地元の危惧がございます。

 そういった中で、まず交通量増大。これは特に、羽田空港からおりて産業道路あるいは環状八号線という幹線道に出るまでの間、どうしてもタクシーなどが生活道路をいわば抜け道として通るものですから、大変この生活道路に交通事故の問題とか混雑等の問題が発生をしておりまして、地域から大きな苦情が出ているところでございます。こういった交通量の増大、また騒音問題に対してどう対処されるのか。これにつきまして、まず政務次官の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

○中馬政務次官 御指摘のように、羽田空港への需要は今後ますます増大してまいることが予想されます。本年三月の新B滑走路の供用開始に合わせまして空港処理容量が大きく膨れること、これはもう御承知のとおりでございます。

 自動車交通による市街地への影響につきましては、沖合展開事業によりまして主要アクセス道路が湾岸道路に移りました。また、京浜急行が開通したことによってかなり改善が図られていることは御承知かと思います。また、今後増便によって増加する自動車交通につきましては、東京都、区、それから建設省、こういった道路管理者等との調整を図りつつ、運輸省としてできるだけのことにつきましての適切な対応をしてまいりたいと存じております。

 また、航空機騒音につきましては、市街地において環境基準を満たすことを確認しておりますけれども、運用に当たっては、環境に十分配慮してまいりたいと考えております。

○遠藤(乙)委員 ぜひ適切な調査と対応をお願いしたいと思います。

 続いて、もう一点、これも政務次官にお願いしますが、空港の機能強化のメリットが地域に目に見えて及ぶということをどうつくっていくのかということなんでございます。

 これは、私、地元の意見などを聞いて考えるのですが、やはり羽田周辺の町づくりに積極的に支援策をしていくということが一つの姿なのかなというふうに考えておる次第でございます。

 特に、従来、羽田の場合には、戦後、四十八時間以内に強制退去ということで強制的に退去させられた方々が羽田周辺に住んでおられますが、その部分がまさに陸の孤島のような状況になっておりまして、狭い道路、木造密集地ということで消防車も入れないような非常に厳しい状況になっておりまして、そこだけ取り残されたような状況になっております。そういった方々から見れば大変な、ある意味では怨念も持っておるわけであって、何ら羽田空港から恩恵がないのに、騒音とか負の側面だけ負わされているという気持ちがあるわけであります。

 そういったことに対応するためにも、ぜひ目に見えた形での支援策、特に今後の空港と共存する町づくり、また世界に開かれた町づくりという点で、ぜひ支援策を進めていくことが必要かと思いますが、こういった点につきまして、政務次官の御見解をお伺いいたします。

○中馬政務次官 先ほど申しましたように、利用される方々の利便性と同時に、その地域の方々にいろいろな迷惑をかけることも事実でもございます。

 先ほど大臣からもお話がありました跡地利用の問題もありますが、これはまだ確定しておりません。しかし、それにつきましても地域の方々としっかりと話し合っていただきたいと思います。

 また、周辺道路に車が入り込んだりするといったような地域の問題につきましても、先ほど申しました都と区とそしてまた我々とも一緒になって十分に考えてもらいたいと存じます。

○遠藤(乙)委員 ぜひ、地域の要望を最大限に受けて、また協議をしていただきたいと思っております。具体的な話は、また今後行政当局ともお話をしたいと思っております。

 それから、もう一つの要素である地域との対話のあり方、これは大臣にお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いします。

○二階国務大臣 空港建設に際しまして、また、空港が活発な経済活動を行っていく上におきましても、地域の関係自治体と常に意見の調整を行う、私は、町内会に至るまでできるだけ御意見をちょうだいすることが大事だと思っております。

 今、現に成田におきましても、あるいは羽田の新しいB滑走路の供用後におきましても、今後、増便等につきましては、できるだけ地元の皆様に丁寧な御説明をして十分御理解を得た上でいわゆる新規の路線を受け入れていくというふうにいたしたい。空港がうまくできて、空港が栄えて、地域が余り元気が出ないということでは、空港は成功したことにならない。

 したがいまして、私も今、成田におきましても、成田の周辺市町村の皆さんに時々お目にかかり、いろいろな御意見をお伺いしながら、ともどもに、成田空港も成功させていただく、地域住民の皆さんにもよかったと言われるような空港にしたい、そうしなければ空港が十分地域の皆さんに役立ったとは言えない。同じ思いで、羽田につきましても、今後、十分地域の皆さんの御意見を承って対応したいと思っております。

○遠藤(乙)委員 大臣の大変ありがたいお言葉、ぜひそういった政治的な気配りを事務当局もしっかりしていただくことが大事かと思っております。よろしくひとつお願いしたいと思います。

 時間もありませんので、最後に一つだけ。
 ワールドカップ二〇〇二年の問題は、大臣の所信でも触れておられますが、特にやはり輸送面がこれは心配であります。初めての二国間開催ということであり、日本と韓国という離れた国の間での共同開催でございますので、輸送面の支援が大きなテーマであり、やはり運輸省の役割は非常に大きなものがあるかと思っております。

 そんな中で、成田の第二滑走路もそれまでには完成して供用するものと聞いておりますが、羽田についても、この際、羽田―ソウル間のシャトル便やチャーター便などを運用することも考えたらどうかという私の提案でございます。国際化などにつきましては立場はよくわかっておりますけれども、ワールドカップという特別な行事でもありますので、ぜひ成田とともに羽田についてもチャーター便やシャトル便を運用したらどうかという提案でございますが、これにつきましてはいかがでございましょうか。

○二階国務大臣 ワールドカップ期間中の旅客運送を含め首都圏の国際航空需要にこたえるために、現在、成田空港の暫定滑走路を二〇〇二年初夏の供用を目指して懸命に頑張っておるところであります。

 国内の拠点空港として極めて重要な役割を果たしておりますお尋ねの羽田空港についても、現在なお全国からの路線の新設、増便への極めて強い要請が出ておるわけでございます。したがいまして、新たに外国からここに乗り入れるということはほとんど不可能に近い状況にあるわけでございます。したがいまして、先般の日韓閣僚会議におきましても、韓国からの直接羽田への乗り入れということは極めて難しいということを全体会議の席でも改めてお断りを申し上げておるわけでございます。
 先ほど、夜間のチャーター便等についてどうかというお尋ねがございました。我々は、これからあらゆる角度から成田を活用する、あるいは羽田の役割等を十分念頭に入れて、今お尋ねのような趣旨を生かしながら、どう対応できるか真剣に考えてまいりたいと思います。

 よく皆さんは、羽田の国際化をすればみんな便利になるからというふうなことをしょっちゅうあちこちで言われるわけでございますが、それは現状を踏まえてお考えいただければ回答は明らかであるわけでございます。しかし、それでもなお、成田の進捗、そして千葉県の御意向等も十分念頭に入れながら、先ほど遠藤委員からもお話がありました、国際化社会における国際的地位、それにふさわしい首都圏のあり方等を考えますと、私どもは、この連立方程式をいかに解いていくかということに今頭を悩ませておりますが、できるだけワールドカップの成功のために運輸省の役割として十分対応してまいりたいと考えております。

 あわせて、首都圏の第三空港につきましても、今は調査を行っておる段階でございますが、これもやがて二十一世紀初頭には、成田空港を仮に二千五百メートルに延長できたといたしましても、また羽田空港をできるだけ広く活用することができたといたしましても、当然新たに第三空港の必要なことはもう火を見るよりも明らかでございます。これらについての対応を、今後、地元、東京及び千葉の国会議員の皆様の御意見等も十分参考にさせていただきながら対応していきたいというふうに考えております。

○遠藤(乙)委員 大臣の御回答、大変含蓄に富んだ内容であると承りましたので、私もよく勉強させていただきたいと思っております。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。



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