第145回国会 本会議 第26号 

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平成十一年四月二十七日(火曜日)
午後一時開議

○議長(伊藤宗一郎君) 遠藤乙彦君。

    〔遠藤乙彦君登壇〕

○遠藤乙彦君 私は、公明党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりましたACSA改正協定、自衛隊法の一部改正案、周辺事態安全確保法案に関する自由民主党、自由党、公明党・改革クラブ三会派共同提出の修正案及び修正部分を除く原案に賛成の立場から討論を行うものであります。

 戦後、我が国は、平和憲法と日米安保条約のもとで平和と安全を享受し、目覚ましい経済の繁栄を遂げてきました。そして、この間には、国連加盟を果たし、国際社会の一員として幅広く外交活動を繰り広げ、今や国連安保理常任理事国の有力な候補国ともなっております。このことは、我が国の外交方針が国連中心主義を貫き、国際協調と国際貢献を尊重する姿勢をとり続けてきたことに対する評価のあらわれであると考えます。

 二十一世紀を見据えた我が国の平和戦略としては、国連が標榜する平和への努力と、日米安保条約の効果的な運用という車の両輪によって支えられる、対話と抑止政策を堅持すべきであると考えます。

 私たちは、ガイドライン関連法案が、一つ、憲法の精神と原則を十分に踏まえたものであるべきこと、二つ、国民の幅広い理解と支持を求めること、三つ、近隣諸国に無用な誤解や懸念を与えないことの三点に留意し、慎重に修正論議を行ってまいりましたが、三会派共同提出の修正案によって、これらの諸点は十分に反映されることになったと考えます。

 こうした意味合いにおいて、価値ある、賛成すべき法案であることを順次申し述べたいと思います。
 賛成する第一の理由は、ガイドライン関連法案等が、冷戦後の日米同盟の信頼性を強化するための一つの具体的取り組みであるという点であります。

 九六年四月に発表された日米安全保障共同宣言は、日米同盟がアジア太平洋地域の平和と安全の確保に役立ってきたことを指摘するとともに、日米安保条約を基盤とする両国間の安全保障面の関係が、二十一世紀に向けて、アジア太平洋地域においても安定的で繁栄した情勢を維持するための基盤であることを再確認したものであります。

 この宣言を踏まえ、我が国は、アジア太平洋地域における日米同盟の重要性や、依然として我が国周辺地域には不安定要因が存在しているという現実への備えとしての日米同盟のさらなる関係強化のため、我が国憲法上いかなる役割を果たし得るのかが検討され、その結果がただいま議題とされている法案等であり、このような措置を講じることは、国家としてまさにとるべき道であり、同盟国との信頼関係構築に寄与するものと考えております。

 第二点目は、周辺事態安全確保法第一条にとられる措置が、日米安保条約の枠内である旨を示すために、日米安保条約の効果的な運用に寄与し、との文言が明記されたことであります。

 これまで、周辺事態につきましては、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態と法案上定義され、地理的概念ではなく、事態の性質に着目した概念との政府説明が繰り返されてまいりましたが、周辺事態の定義やその範囲も明確なものではなく、国民の間には、自衛隊の活動が無制限に拡大しかねないとの懸念がありました。しかし、上記の修正が加えられることで、平時でもなく、我が国有事でもないいわゆる周辺事態に際し、自衛隊の活動範囲が無制限に拡大することをチェックできることになると考えます。

 第三点目は、基本計画に定められた自衛隊の部隊等の後方地域支援等への出動の可否が、緊急の場合を除き、原則として国会の事前承認とされたことであります。

 修正案が、国会承認の対象を自衛隊等の後方地域支援等に限定したものであるとはいえ、国会への事後報告にとどめた原案に比べ、より民主的コントロールが確保できるものであるとともに、活動に参加する自衛隊に対する国民のよりよい理解が得られるものであると考えます。また、自衛隊の防衛出動が原則として国会の事前承認とされている現行法との関係においても、その整合性が図られたものと認識しております。

 第四点目は、基本計画に定める対応措置の終了後に、その結果を国会に報告する義務という新たな規定が盛り込まれることになった点であります。

 これにより、我が国が周辺事態に際しとった措置が、我が国憲法に照らし、果たして適切であったかどうか、事後的に検証できることになります。

 第五点目に、周辺事態の概念を明確化するために、認定基準につき、類型化したものを認定手続とともに政府統一見解として明らかにされたことであります。

 第六点目に、地方公共団体や民間に求める協力の内容や補償のあり方等につき、さらに明確化し、マニュアル等の作成、提供が政府答弁として確認されたことであります。

 以上の見地から、私は、三会派共同提出の修正案及び修正部分を除く原案等は、速やかに可決成立させるべきものと考える次第であります。(拍手)

 今回、これらガイドライン関連法案等審議の過程で行われました修正協議におきまして、周辺事態における自衛隊の活動から船舶検査活動が削除されました。私どもは、これまでの審議、修正協議を通じ、周辺事態の船舶検査活動は国連決議に基づくものとすべきであるとの主張をしてまいりました。この自衛隊による船舶検査活動は、周辺事態に際して、経済制裁の実効性を確保するための措置であり、ほかの後方地域支援や後方地域捜索救助活動とあわせ、新ガイドラインの重要な柱の一つであります。

 今後、船舶検査活動に関する新法案の提出が検討されますが、日米同盟の信頼性確保の観点からも、早期に国連決議に基づく船舶検査活動に関する新法案が提出され、審議入りできますことを希望いたします。

 ガイドライン関連法案等の審議は、今後の我が国の安全保障政策について国民の強い関心を呼び起こし、安全保障政策を現実の問題として考える機会となったものと考えます。しかし、その一方で、この審議がいわゆる対話と抑止の抑止の側面に該当するものでもあることから、ガイドライン関連法案に対しては一部の近隣諸国から懸念が示されたり、また、政府の説明不足もあり、特に米軍基地を抱える沖縄を初めとする地域においては不安の声が上がっております。

 このような状況を踏まえ、政府においては、この機会に、我が国として国際社会の平和構築のためいかなる外交を展開していくのか、改めて我が国の平和外交に関するビジョンを明確に示すべきであります。

 以上申し上げまして、私の三会派共同提出の修正案及び修正部分を除く原案等に対する賛成討論といたします。(拍手)



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