平成十一年三月十日(水曜日)
午前九時四分開議
○遠藤(乙)委員 公明・改革の遠藤乙彦でございます。一年ぶりに商工委員会に舞い戻ってまいりまして、質問をさせていただきます。
議題となっております中小企業二法に関連して質問をさせていただきます。まず、その前提として、景気の見通し、景気対策の問題につきまして、これは経企庁にお願いをしたいと思います。
日本経済は、過去連続二年マイナス成長という大変厳しい事態になっておりまして、また卸売物価等の長期的な低下傾向を見ますと、私個人はこれはもうデフレスパイラルの真っただ中という認識を持っております。
そういった中にありまして、政府が大変景気回復には力を入れておることはよく認識をしておりまして、小渕総理自体、〇・五%目標を言われておりますし、またG7等でも〇・五%をほぼ国際公約として発表されたというふうに受けとめておりまして、政府におかれても大変重大な景気回復に向けての政治責任を負ったもの、覚悟されているものというふうに理解をいたしております。
ただ、〇・五%という数字の根拠ということは必ずしも私は明確ではないと思っておりますし、民間のシンクタンク等は、多くが、大型の予算があったとしても、なお本年後半は厳しいマイナス成長になるのではないかといった見通しをしているところもございます。その論拠は、現在の景気状況を見ても、消費は相変わらず低迷している。輸出も低迷ないし減退している。唯一公共事業が予算によって大幅に伸びているわけでございますけれども、ただそれを上回って設備投資が減少するであろうというのが大きな論拠でございまして、私もその点は同じ認識を持っているわけでございます。
そうしますと、当面は一息つけるとしても、本年後半から、景気が息切れをして再び大きく落ち込む可能性が出てくるという感じがあるわけでありまして、その場合に中小企業が受ける悪影響ははかり知れないものがあると考えております。
そういった意味で、この〇・五%を確保するためには、さらなる十一年度中の景気対策が、追加的な対策が必要であると考えるわけでございますけれども、そういった意味で、経済企画庁の見解をまずお伺いしたいと思います。
○河出政府委員 まず、経済の現状につきまして御説明をさせていただきます。
今先生おっしゃいましたように、日本経済は、設備投資の大幅なマイナスが続くなど、非常に低調でございます。景気は低迷状態が長引いて非常に厳しい状況にあるということには変わりはないわけでございますが、こういった中で、一方で少しずつ明るい兆しも出てきております。
例えば個人消費を見てみますと、この一月の家計調査はプラスとなっておりまして、下げどまりの兆しが見られるのではないかとか、あるいは、中小企業の信用保証の拡充によりまして、倒産が非常に昨年末から減っております。また、住宅投資につきましても、ことしになってからは非常に好調な動きが出てきております。それから、在庫につきましても、前年を下回るような水準にまで低下をしてきている。それから、公共事業は、先生おっしゃいましたように、非常に順調に進んでいるわけでございます。
こういった実態の中で、政府といたしましては、昨年末に緊急経済対策を取りまとめ、三次補正を行ったところでございますし、また、今審議をお願いしております十一年度予算におきましても、公共事業につきまして非常に高い大幅な伸びを確保しておりますし、また、雇用対策あるいは起業支援につきましても、十分な予算を講じているところでございます。それから、減税につきましても、恒久的な減税を初めといたしまして、国、地方合わせまして、平年度ベースで九兆円を超えるような大きな減税をお願いしているところでございます。
また、昨年秋に決定されました金融システム関連法の整備によりまして、我が国経済の実態を阻害してきた要因も取り除かれつつあるわけでございまして、こういった施策の実施によって、公的需要が十分下支えをして民間需要が緩やかに回復をしていくということで、私ども十一年度〇・五%の成長を見込んでいるところでございます。
なお、設備投資につきましては非常に悪いわけでございまして、私どもも、これは民間のシンクタンクと同じように、十一年度につきましても名目で六・九%のマイナス、実質で五・二%のマイナスと、同じように厳しく認識をして、この見通しはつくっているところでございます。
○遠藤(乙)委員 いろいろ御説明をいただきましたが、個々の現象的な動きはいろいろあるんですけれども、私が一番気にしているのは、国民あるいは企業の中長期の期待、日本経済の将来への期待感というものが非常に悲観的になってしまっている。
当然、消費、投資、いずれも将来期待というものが一番大きな影響を与えるものでございまして、個人の家計にあっても、雇用の問題あるいは社会保障不安、そういった問題がありますし、また、企業にあっても、そもそも日本経済の将来展望が大変悲観的なものにとらわれてしまっていることによって、非常にこれが、表面的な一時的な数字の動きだけでは感応しないだろうといったことがありまして、抜本的に、中長期の日本経済の展望自体を楽観的なものとして定着させないと回復は難しいと思っております。
特に、設備投資の大胆な回復ということがないと、経済は、景気は回復しないんじゃないかというふうに私は感じておりまして、ぜひともこの点について今後とも注目をしていく必要があるし、さらなる対策が必要であるかと思っております。
ただ、この辺は見解の相違でもありますので、これ以上踏み込むことはいたしませんけれども、ぜひとも与謝野大臣以下、さらなる景気拡大に向けてアクセルを思い切り踏んでいただきたいということをお願いしておきたいと思っております。
特に、昨今再び財政再建路線といったことが出てきておりますけれども、中長期というのは当然の話なんですが、今の段階ではやはり、なおかつアクセルを思い切り踏んで景気そのものを軌道に乗せないことには財政再建もできないということでございまして、アクセルとブレーキを一緒に踏むようなことは決してないように、その点はぜひお願いをしたいと思っておりまして、そこら辺の経済政策のあり方につきましてはぜひ真剣な検討をお願いしたいと思っております。
これは前提の議論として申し上げたわけでございます。
続いてもう一つ、法案そのものに入る前に、中小企業の融資枠の拡大の問題につきまして、御質問したいと思っております。
昨年十月に大幅な中小企業融資枠、信用保証枠の拡大が行われました。率直に言って、大変これは現場では感謝をされ、通産省もよくやってくれたという評価があるわけでございまして、これは改めて大臣にも申し上げたいと思っております。ぜひとも、この信用保証枠の拡充を今後ともお願いしたいと思っております。
ただ、これはどこまでいっても対症療法であって、時間稼ぎにすぎないと思っております。確かに、今回の措置で大量の中小零細企業の倒産という事態は免れましたけれども、景気回復そのものがなければ、これは再び大変な債務累積になるわけでございます。もっと実は厳しい危機がやってくるだろうということでございまして、この信用保証枠の拡大に続いて力強い景気回復のフォローがなければ、結局これもむだに終わってしまうという感じがいたしますので、ぜひとも、今後とも、中小企業の信用保証枠の拡充につきましては特段の御努力をお願いしたいと思っております。
また、その関連で、せっかく信用保証枠拡大をしたのに、これに反するような、趣旨に反するような一般の金融機関の行動があった。特に、旧債の振りかえの問題でございます。これはもう大変けしからぬ話でございまして、景気回復のために、中小企業救済のために行ったそういった措置に対して、この効果を減殺するようなことでございまして、許せないと思っております。ぜひとも断固たる処置をとって、今後ともこういった政策に反するような行為がないように、通産省としても努力をしてもらいたいと思っております。
この点につきまして通産大臣に、どのように認識をし、今後どのように対処をされていくのか、改めて大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○与謝野国務大臣 貸し渋り対策で特別枠をつくった趣旨については、もちろん先生今御指摘のように、中小企業に対して円滑な資金供給をする、こういう観点からとられた政策でございまして、これが旧債振りかえという形で金融機関の救済、体質改善にいわば悪用されるということは、断じて阻止すべき許しがたい行為であると私どもは考えております。
旧債振りかえの実態調査については、全国信用保証協会連合会を通じまして、引き続き実態調査を行っております。本年一月には、政府系金融機関、中小企業団体等を通じまして、中小企業に対してサンプル調査も実施をいたしました。旧債振りかえについて不満を表明するところもこの調査でございました。これらについては、現在、具体的な内容についてさらなる調査を行っているところでございます。
以上のような調査、またその他のいろいろな情報を総合いたしまして、通産省としては、まず第一には、金融機関のみが旧債振りかえを含む保証案件を信用保証協会に持ち込む場合には、協会が中小企業に対して本人の意思を確認する、これを指示したわけでございますが、その旨を信用保証協会に周知徹底するためのマニュアルも作成したわけでございます。第二には、政府広報によりまして全国の新聞、テレビ等で広報いたしまして、パンフレットを、中小企業団体、政府系金融機関を通じて中小企業者に配布もいたしました。また、金融監督庁が業務改善命令を出した金融機関に対して、地方通産局を通じまして、制度の趣旨に沿った運用を徹底するように申し渡したところでございます。
今後とも、金融監督庁と連携をとりながら、引き続き実態調査を行うとともに、悪質な旧債振りかえについては断固たる対応をとるとの強い決意で本制度の運用に万全を期したい、そのように決意をしております。
以上です。
○遠藤(乙)委員 今の大臣のお言葉、大変心強く思っておるわけでございますが、悪質な金融機関に対しては断固たる処置をとるという決意を言われましたけれども、具体的にはどういうことを考えておられるのか。その点につきまして、さらに御説明をいただければと思います。
○与謝野国務大臣 信用保証協会が保証したものが金融機関に対して債務不履行になった場合には、信用保証協会は、当然、通常の場合ですと代位弁済を行うというのがこの仕組みでございますが、旧債振りかえ制度を悪用したものに対しては代位弁済を行わない、こういうことでございます。
○遠藤(乙)委員 それに加えて、例えば、悪質な金融機関等は、調査の結果、公表をしていくといったことも一案かと思いますが、この点などはいかがでございましょうか。
○与謝野国務大臣 これは金融監督庁の所掌することでもございますが、金融監督庁ともよく相談をしながら、事態に的確に対応した措置をとっていく、こういうことであろうと思っております。
○遠藤(乙)委員 ぜひとも、大臣の決意に沿って、断固たる処置をお願いしたいと思っております。
続いて本題に入ってまいりたいと思いますが、中小企業の経営革新法案等、今、中小企業政策の大幅な見直しにあると承知をいたしております。中小企業の場合、日本の勤労者の八割近くを占めるわけでございますし、中小企業の活性化なくしては日本経済の再生はないと考えているわけでございますが、ぜひとも、中小企業政策、重大な問題でございますので、二十一世紀を切り開く新たな理念を確立して、多くの中小企業に対する信用をぜひ提示していただきたいと思っております。
特に、日本の経済は今、大転換の時代にあると私も認識をいたしておりまして、従来の追いつき型の発展のシステムから創造革新型に変えていく、これは大変大胆な変更になるかと思っております。その中で、中小企業政策、あるいはその理念も見直しを行っていかなければならないわけであって、通産省としまして、どのように中小企業政策を見直そうとされているのか、その大きな方向につきまして御説明をいただきたいと思います。通産大臣にお願いします。
○与謝野国務大臣 景気低迷が大変長引いておりまして、しかし、二十一世紀に向けた将来の発展基盤の整備のための経済構造改革、これが進められているところでございます。
中小企業をどう考えるかということですが、これは、やはり日本の経済のダイナミズムの源泉であるというふうにも考えておりますし、広く雇用の場を、また雇用の機会を提供しております。また、実際には雇用の大宗をここが担っているわけでございます。こういう傾向はますます高まっていくと私どもは考えております。
このため、消費者ニーズの変化、企業間関係の変化等、中小企業を取り巻く環境の変化を踏まえまして、多様で活力ある中小企業の育成、発展、これを図ることが必要と考えておりまして、こういう観点から、一つは、中小企業の資金、技術、情報の円滑化を図る競争条件の整備、第二は、創業等を行おうとする意欲ある中小企業者の自助努力支援などについて、関係省方面の意見を十分伺いながら、今、鋭意検討しているところでございます。
具体的には、昨年七月より、中小企業庁では、新たな中小企業政策の方向性について検討を深めているところでございまして、今後、その結果を踏まえまして、中小企業政策審議会で議論を行い、必要な所要の対応を行ってまいりたいと考えております。
○遠藤(乙)委員 今、中小企業政策、見直しの最中であるということでございますが、この決定版といいますか、中小企業政策を見直した上での決定版、二十一世紀の中小企業ビジョン、政策といったものは、いつごろをめどに取りまとめられる予定なのか、お聞かせいただければと思います。
○鴇田政府委員 二十一世紀を見据えた中小企業政策理念の決定版のスケジュールという御指摘でございますが、今、大臣の方からも御説明申し上げましたように、現在、昨年の七月から私のところで、中小企業政策というのは大変な歴史と大変多岐にわたるレンジの広い政策体系でございますから、勉強を鋭意進めております。
私の手元といたしましては、この春夏にかけて、ぜひともそういった勉強の成果というのを取りまとめたいというスケジューリングで考えてございますが、その後、中小企業政策審議会での御議論、これは、いろいろな関係者の方、法律家の方から関係の中小企業の方、そういった方も全部入っていただいて議論することになりますが、それについて確たるスケジュールというものは、今、私のもとにはございません。
ただ、私の考え方といたしましては、二十一世紀という一つの節目にも当たりますし、政府全体で中央省庁再編の動きもございますし、そういった節目に合うような形にはできるだけ間に合わせて議論をしていただければなという期待はいたしております。
〔委員長退席、岸田委員長代理着席〕
○遠藤(乙)委員 それでは、中小企業総合事業団につきましてお聞きしたいと思います。
特殊法人の整理を大胆に進めていくというのは行革の基本方針でございます。もちろん、今度統合される信用保険公庫と中小企業事業団の実施している業務が大変重要であることは、私もよく認識をいたしております。しかしながら、一般原則としては、特殊法人というのはサンセット方式で見直していくという当然の前提があると思うわけでございます。そうした意味で、見直しをぜひ進めていく必要があるかと思っております。
そういった意味では、例えば総合事業団につきましても三年後に見直しを行うということが大切だと思いますけれども、この点につきましてどのようにお考えなのか。また、今後の整理合理化の努力は当然ですけれども、一般論ではなくして、具体的な目標設定、特に数値目標として設定していくことが大変重要ではないかと考えておりますけれども、今の二点につきまして御回答をいただければと思います。
○与謝野国務大臣 私も、自分の党の中で、特殊法人の整理統合等々、仕事に携わったことがございますが、これは、やってみますと大変いろいろな難関にぶつかります。したがいまして、私は、将来の問題としては、先生がおっしゃったようなサンセット方式ということで、自然に退場して、また必要であれば登場してくるという、どこかでけじめをつけるということを、仕組みとしてやはり考える必要があるというふうに個人的には思っております。先生の御意見には私は賛成でございます。
そこで、新事業団は、統合に先立って、中小企業の団地づくり等を支援する高度化融資事業のメニューの統合、要件緩和などの抜本的な見直しを行う一方で、中小企業が新事業を開拓するための助成金や出資の業務を行うこととするなど、中小企業の今日のニーズに対応するために必要な業務の見直しを行っております。
御指摘のとおり、中小企業対策の実施における新事業団の役割は重要でございまして、中小企業の実情及びニーズに即して、不断に業務の点検、見直しを行うことが不可欠である、そのように考えております。
○遠藤(乙)委員 私の具体的な提言は、三年後に見直しを行うということでございますが、これについてはいかがでございましょうか。
○鴇田政府委員 新法人につきまして、その見直しについて不断にやっていく必要があるという点につきましては、大臣が申し上げたとおりでございます。
三年後という具体的な数字でございますが、三年がいいのか、四年がいいのか、二年がいいのか、なかなか私も即答するわけにまいりませんけれども、ある時期を踏まえながら、それを頭に置きながら見直しをしていくというのも一つの考え方であろうと思います。
○遠藤(乙)委員 いずれにしましても、ぜひ定期的な時点で見直しをする。必要なものは当然残すべきでしょうけれども、ぜひサンセット方式の精神で特殊法人の改革を進めていただきたいことを強く要望しておきたいと思っております。
そこで、中小企業経営革新法の問題につきまして入っていきたいと思っておりますが、中小企業をめぐる環境が大変激変をしている中にありまして、中小企業政策も転換期を迎えていることは先ほども御説明のあったとおりであると思っておりますが、既存の法制を見直して、中小企業の今日的な経営課題に対応するよう中小企業経営革新法案を制定したいという考え方は、これは評価できるかと思っております。
ただ、こういった、いわば発展性のある新しい創造、革新性のある中小企業を育てるというのは大変重要な方向であるし、今後の日本経済再生の一番の中核的なテーマであることは間違いないと思いますけれども、ただ、多くの中小零細企業が残るわけでございまして、そういった革新性も十分ない、ダイナミズムもないような、多くの中小零細企業をどうするかという問題も残るわけでございます。
昨日の我が会派の中野議員の代表質問の中でも、中小零細企業を見落とすことがないようにということで質問があり、大臣も、一般論としては、努力をするというふうに述べたものと理解をしておりますけれども、さらに、具体的にどのように配慮をしていくのか、この点につきましてお聞きしたいと思っております。
○鴇田政府委員 中小企業経営革新支援法の運用につきましては、先生も御承知のように、法律が制定されました後、基本指針というものを通産大臣が定めることになっております。その中で、具体的に、経営革新とは、あるいは、経営の相当程度の向上とはというような基準を定めていくことになると思います。
先ほど来申し上げていますように、従来ございました近促法あるいは新分野進出円滑化法と本法との際立った違いといいますのは、あらゆる業種にわたりまして、個人、グループ、組合を問わず、あらゆる形態で経営革新に臨むことができる、そういった法体系を整備するものでございます。
したがいまして、できるだけ多くの中小企業の方が新たな経営課題に応じて経営革新に努力をいただけるような、そういった体制にしたいと思っておるところでございます。
二点ございますが、第一点といたしましては、まず、従来から組合という制度が、組織化を通じまして、零細中小企業の共同化等でいろいろな効果を上げてきております。今回の経営革新法の利用に当たりましても、組合が中小零細企業である組合員の経営向上を図るということも支援の対象になってございます。我々としては、組合の活躍というのも期待したいと思っております。
また、第二点といたしましては、支援対象の基準でございますが、これにつきましては、事業活動の新規性の基準、つまり、新たなサービス、新たな商品の開発あるいは提供ということをうたっておりますが、これにつきましても、余り厳格に考えることなく、個々の中小企業者あるいはグループにとって経営革新に資するものであれば、ある程度、例えば既に開発された技術であっても、ここで言う新技術として認定をするような運営にしたいと思ってございますし、また、経営革新の程度、経営の相当程度の向上というのもこれから基準をつくってまいらぬといかぬわけですが、これにつきましても、事業者の経営状況に応じた一定程度の要件の緩和なり、そのバリエーションというものは認める方向で配慮をしていきたいと思っております。
繰り返しになりますが、およそ中小企業の方々、今後二十一世紀に向けて経営革新を進めるに当たって、入り口のところでなるべくひっかからないような、そういった制度運営をしたいと思っております。
○遠藤(乙)委員 ぜひとも、今の方針で柔軟なまた幅広い運用をしていただきまして、中小零細企業をエンカレッジしていくように運用をお願いしたいと思っております。
この経営革新法、私も拝見しまして、非常にアイデアはいいと思っております。ただ、いかんせん、予算を見ると、がっかりするといいますか、余りにも予算の額が少な過ぎるのではないかというのが私の印象でございまして、せっかくアイデアはよくとも、予算の裏づけがなければ絵にかいたもちになってしまうということで、通産省の場合、いつも非常にアイデアはいいんですけれども、予算の裏づけがないというのが問題であると私は感じております。
特に、予算の数字が一けた二けた少ないんじゃないかと時々思うこともあるわけなんですが、このアイデアを生かすためには、裏づけとしての十分な予算額の確保に総力を挙げて取り組む必要があるかと思っておりますけれども、ぜひとも大臣のリーダーシップのもとに強力な予算拡充の努力をしていただければと思っております。特にこの予算額の確保という点につきまして、お答えをいただければと思います。
○鴇田政府委員 この中小企業経営革新支援法の体系の中で、支援措置が幾つかございます。
今先生が御指摘になられたのは、具体的に補助金という形での予算額でございまして、これは十一年度予算で十八億円ということで、先生の御評価では大変少ないということでございますが、これまでございました中小企業近代化促進法の場合ですと補助金制度はございませんので、そういった意味では、この十八億円もできるだけ有効に活用をさせていただきたいと思っています。あるいは、今後ともこの補助金については増額について努力をしていきたいと考えております。
ただ、念のためでございますが、経営革新計画に限って申し上げましても、既に御承知だと思いますが、政府関係金融機関から超低利融資制度もございます。
例えば今、通利というか基準金利が二・九%のところで、一・八%の設備資金融資ができるとか、そういった中公の融資もございますし、あるいは、高度化融資制度について、累次申し上げていますように、無利子融資、あるいは融資比率も八割までといった高度化事業融資が、従来の原則組合に限っておりましたものが、任意のグループ、四社以上のものにも使えるということで、これはいろいろ金額計算をいたしますと大変大きな助成措置でございます。他に信用保険、税制上の特例等もございまして、支援措置一般についてはかなり思い切った支援策を講じたと一応考えておりますので、念のため申し添えます。
○遠藤(乙)委員 いずれにしても、今後大いに予算拡充の努力はお願いをしたいと思っております。
そこで、経営の革新あるいは新規事業の立ち上げということにつきましても、いろいろネックはあるわけですけれども、一番大きなネックといいますか、特に絞っていくと、やはり人材の問題と融資の問題ではないかと私は思っております。
いずれにしましても、新たな経営革新、新事業の立ち上げということは何よりも中心になる起業家の資質によるものでありまして、この人材が豊富になければ創造、革新的な事業は進められないわけであります。これは、突き詰めていけば日本の教育システムそのものといった問題になるわけでありまして、非常に大きなテーマになりますので、きょうは踏み込むことはしません。
もう一つは、やはり融資の問題だと思います。せっかくのいいアイデア、またいい経営的な能力があったとしても、融資がネックになっているということは一つの大きな課題であると思っております。特に、日本の場合に、どうしても土地担保主義が強いものですから、担保がないとなかなか金を貸してもらえない。せっかくいい能力やアイデアを持っているのに資金がついてこないということが、今、新規産業あるいは経営革新のネックになっているものと私は認識をいたしております。
そういった意味で、今後できる限り、土地担保ではなくて事業内容とかキャッシュフローを評価する形で、その判断のもとに融資が行われるというシステムが望ましいと思いますし、また、できる限り直接融資が発達することが望ましいと考えておりますけれども、まだなかなかそこまでは、日本の金融風土ではすぐには追いつかないと思っております。そういった意味では、ぜひとも、制度融資も含めて、そういう形での新しい発想に立った融資の対応ということが必要であると考えております。
そこで、経営革新に取り組む中小企業に対する融資制度にはどういった工夫を今後していくのか、その点につきまして、通産省の見解を伺います。
○鴇田政府委員 融資制度につきましては、先ほど支援策の厚みの程度ということで若干申し上げてしまいましたが、それに加えて申し上げますと、中小公庫等から経営革新計画に関する低利融資制度というのをつくってございます。
金利の点では先ほど申し上げましたが、それ以外にも例えば、従来ハード中心の設備資金融資が中心であったわけですが、今回の経営革新法の考え方に従いまして、大変重要な研究開発、あるいは人材の育成、あるいは需要の開拓、そういったソフトな経営資源に対する資金需要として、長期運転資金融資制度も、これは低利で新たに設けることにしてございます。
それから、今御指摘のあった担保徴求、物的担保中心になっているではないかという点につきましては、一つの対応といたしまして、一定額まで物的担保徴求をこの融資制度では免除することにいたしておりますし、既に中小公庫の場合には、知的所有権とかそういったソフトな資産についてもある程度担保価値として評価するような仕組みを導入いたしておりますので、本制度でもそういった考え方で運営をしたいと思っております。
それから融資では、先ほど高度化融資について申し上げましたように、原則組合要件というのを四社以上のグループ、緩やかな企業連合体でも活用ができるといった意味でも、これは中小企業者にとっては大変大きな利用価値のある制度になるのではないかと思います。
○遠藤(乙)委員 さて、ベンチャー企業の融資への対応につきましてさらにお伺いしたいんですが、今の制度融資ではやはり資金額として十分ではないというふうに感じております。いろいろ私もそういったベンチャー志向の方々と話をしておりますと、億単位、場合によっては十億ぐらいの枠が必要なケースを多々聞いておりまして、これは相当大胆なあれになりますけれども、やはり抜本的な限度枠の拡大をしていくことがこれから新規産業の育成あるいはベンチャー企業の育成ということの重要なテーマではないかと思っております。
すぐ簡単にはいかないかと思いますけれども、限度枠の拡大といった問題につきましてどういったお考えを持っているか、お聞きしたいと思っております。
○江崎政府委員 ベンチャー企業育成のための支援策の問題でございますけれども、通産省としましては、大規模な研究開発を行うなど非常に資金需要の旺盛なベンチャー企業の育成のために、資金面それから人材面、技術面、各面から総合的な施策を講じておりますけれども、今御指摘のような、資金調達を円滑にするということが非常に重要な問題だというふうに私どもも認識しております。
具体的に今やっておりますことは、政府系金融機関によります低利融資の制度ですとか、それから新規事業法とか中小創造法に基づきます債務保証制度、こういったようなことを講じております。それから、昨年の秋からは、新規開業向けのマル経融資の拡充ですとか、さきの臨時国会で新事業創出促進法というのを成立させていただきましたけれども、この法律に基づきまして、新規開業者に対する債務保証制度の創設など各種の施策を講じております。こうした制度の中には、今御指摘の十億円を超えるような資金需要にも対応できるものも含まれております。
いずれにしましても、私どもとしましては、これからベンチャー企業の資金需要に応じまして、さらなる制度の充実を図ってまいりたい、このように考えております。
〔岸田委員長代理退席、委員長着席〕
○遠藤(乙)委員 続いて、今度はネットワークの問題につきましてお聞きしたいと思っています。
シリコンバレーのようなケースを見ても、得意分野を核にして、自分の弱点はみずから補うのではなくて、いわゆる他社との連携によって補完するという、いわば戦略的連携といったことが縦横無尽に行われておりまして、これがまたアメリカ系の中小企業の活力、力の源泉ではないかというふうに考えております。日本の中小企業におきましても、ネットワークの力が今まで以上に重要になってきておりまして、中小企業の主体的な発展、取り組みというものにこれは大変重要な要素ではないかと思っております。
例えば、中小企業が開発に取り組む場合に異業種交流が一定の役割を果たすと言われておりますけれども、各地で熱心な異業種交流活動が行われてきておりまして、この新法の場合、こういった異業種交流活動に対してどういった支援をされるのか、その点を伺いたいと思います。
○鴇田政府委員 先生御指摘のように、中小企業者にとりまして、現下の経済環境の中で活路を求めていく一つの道はネットワーク化ということだと思います。中小企業者にとりましては、経営に関する各種資源をすべて一社で具備するというのは大変難しい話でございますので、それはできれば横の関係で、独立の関係で、かつプロジェクトごとに柔軟な関係でそういったネットワークができれば大変効果的であると我々認識をしております。
今までにも、平成十年度から、コーディネーションネットワークを支援しようということで予算措置もとってございます。具体的に申し上げますと、新規成長産業の連携の支援事業、我々コーディネート活動支援事業という言い方をしておりますが、一件当たり一千万円ぐらい事業団の方から委託費を出しまして、いろいろな各種のコーディネーター、そういった中小業者のネットワークをうまく円滑化して結びつけてくれる、そういった方について委託という形で助成をさせていただいて、結果的に中小企業のネットワークが進むようにということで進めているところでございます。
法律の方に戻らせていただきますと、本法案、中小企業近代化審議会で議論をいただきました。その最終答申におきましては、今まさに先生御指摘のように、多様な組織形態で経営革新を進めていくことは有益である、そういったものを支援対象にしろというような議論をいただいております。
したがいまして、本法律に基づきます経営革新計画の作成主体としては、個別の中小企業者に加えまして、複数の中小企業者の任意グループ、そういったものも対象にすることにしております。具体的には、異業種間の中小企業における戦略的な連携グループ、これは何千という数で今既にございますけれども、そういったものについて、経営の相当程度の向上が見込まれるような新たな取り組みをしていただければ、本法の対象といたしまして各種の支援ができるようにしたいと思っております。
○遠藤(乙)委員 また、いわゆる高度情報化の流れに乗りまして、パソコンを活用したり、あるいはインターネットを活用して、販売や生産の管理をしたり、製販連携など流通面の合理化に取り組む中小企業も見られるわけでございますけれども、この新法におきましてはこうした取り組みも支援の対象となるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○鴇田政府委員 経営革新支援法におきましては、新商品の開発や生産、商品の新たな生産や販売の方式の導入等、新たな事業活動ということで、経営革新という定義をさせていただいております。
今具体的に御指摘をいただいた、パソコンなどの情報機器を活用しました販売、生産の管理あるいは製販の連携などの流通面の合理化などの取り組みにつきましては、商品の新たな生産や販売の方式の導入等の新たな事業活動という点で理解、解釈できると思っておりますので、あとは経営の相当程度の向上が見込まれるものであれば、経営革新として本法の支援対象になると思います。
○遠藤(乙)委員 それでは、このネットワークのまた別の側面として、地域の産業集積という問題につきましてお聞きをしたいと思います。
我が国の基幹産業である製造業を支えてきた部品、金型、試作品等を製造するいわゆる基盤的技術産業の活性化を図って製造業全体の空洞化を防止するという目的で平成九年六月に施行された、特定産業集積の活性化に関する臨時措置法というものがございますけれども、この地域の指定並びに補助事業の申請状況はどうなっているか、また、自治体への支援と事業者に対する支援の実施状況はどうなっているのか。地域のネットワークという視点からお聞きしたいと思っております。
○太田(信)政府委員 今、遠藤先生から御質問がございました、特定産業集積の活性化に関する臨時措置法でございますが、おととし、平成九年の六月に施行されました。その後、九年八月二十九日に七地域からの申請を承認いたしまして、それ以降、これまで六回に分けて、全国で二十五の地域の基盤的技術産業集積活性化計画を承認しているところでございます。
これらの地域における集積活性化計画に基づく産業のインフラ整備、これは、インキュベーターとかあるいは貸し工場等々の産業のインフラ整備については、地域産業集積活性化対策補助金等により、事業を実施する関係自治体に助成することとしておりまして、これまでに六十二件、三十五億円以上の補助金を交付しているところでございます。
また、地域の中小企業に対する研究開発等の支援につきまして、地域産業創造技術研究開発補助金により、これまで二十六件、一億五千万円の補助金を、また、第三セクター等に対して産業インフラ整備支援として、これまでに十二件、十九億円。合計三十八件、二十億円を交付しているところでございます。
○遠藤(乙)委員 この臨時措置法における支援対象としては大都市圏における基盤的技術産業集積が含まれるわけですけれども、補助事業としてはどういった申請が具体的に上がってきているのか、お聞きしたいと思います。
○太田(信)政府委員 この法律の対象として、当然大都市圏等の集積も含まれるわけでございます。幾つかございますが、代表例を申し上げれば、広域の京浜地域、これは東京都、神奈川県にまたがるわけでございますが、例えば大田区の賃貸工場アパートの整備事業、あるいは横浜市の産学連携支援施設整備事業等々の産業インフラ整備に対する支援の申請が行われているところでございます。また、西の方に参りますと、大阪府の中央地域ということを指定させていただいておりますが、大阪市とか堺市の賃貸工場の整備事業、あるいは八尾市の人材育成施設整備事業、東大阪市の試験検査機器整備事業等の産業インフラ整備に対する支援の申請を受け取っているところでございます。
○遠藤(乙)委員 研究開発施設とか貸し工場などが今御説明のように対象になると思いますけれども、大都市の場合、こうした大規模な施設の建設はやはり数年かかるのが通例でございまして、やはり単年度主義の予算との関係でなかなか、現場では実際の運用をどうしたらいいかといった声が上がっておりまして、これについての柔軟な対応というものをいつも求められるわけでございますけれども、こういった場合の支援をどのように実施していくのか、通産省の考え方をお聞きしたいと思います。
○太田(信)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、産業インフラとして、貸し工場とかあるいはインキュベーション施設とか研究施設、産学交流施設等が挙げられますが、これらの建設期間は原則一年で実施されております。ただ、確かにやや工期が延びるというようなことはあり得ないことではないわけでございまして、あるいは土地の取得がなかなか思ったようにははかどらないというようなやむを得ない事由により、なかなか当該年度では建設完了ができないもの等特殊な場合には、繰り越し制度の適用により二年度にまたがって事業を行うことも許されておるところでございます。
いずれにしても、今遠藤先生言われましたように、地元の自治体あるいは事業者に迷惑がかからないように、極力その運用について配慮していきたいというふうに考えているところでございます。
○遠藤(乙)委員 今の説明で大体理解できました。
いずれにしましても、中小企業の法制というものは、地域にとっていかに使いやすい制度かというのが大変重要であると思います。そういった意味で、地域の実情を十分勘案した制度運用に特に配慮していただきたいと思っているわけでございまして、せっかくいろいろな法律が次々と出てくるわけでございますから、それらで成功例をぜひつくっていくということが今後の中小企業政策の運用に大変重要ではないかと思っております。
そういった意味で、私は、特に予算面の拡充という問題と、それから運用面における柔軟な対応、特に地域の実情に応じた使い勝手のよい運用というものにぜひ心がけていただきたい。そうすることによって成功例をつくり上げ、さらなる次の中小企業政策の展開に結びつけていけるものと考えております。
この点につきまして、改めて通産省の見解、決意をお聞きしたいと思っております。
○太田(信)政府委員 集積活性化法に限らず、私ども環境立地局で所管させていただいておりますさまざまな地域振興立法がございます。もちろん中小企業庁の方でもございます。一体となって運用しているわけでございますが、地域の実情に応じて運用していくというのは当然でございます。また、予算等、厳しい御評価もございましたけれども、それぞれ、極力地域のニーズ等を踏まえて拡充していく方向で頑張っていきたいと思っておりますので、そういうことでよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤(乙)委員 通産省から大変力強い決意があったものと受けとめまして、我々も一生懸命支援をしていきたいと思っておりますので、ぜひひとつよろしくお願いをしたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
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